築造当初の古墳の墳丘を飾り立てていたのが埴輪です。
古墳の墳丘そのものが埋葬者の力を可視化する装置でしたが、かつて墳丘に並びたてられていた埴輪も、その力を見せつける仕掛けのひとつでした。(埴輪の無い古墳もあります)
これまでにいろいろ古墳を巡ってきて埴輪もかなり見てきましたが、この本を読むことで埴輪の世界の概要や、円筒埴輪から器材埴輪そして人物埴輪への流れ、いくつかの特別な古墳で見られる群像埴輪の意味、それらによって読み解かれる古墳社会のしくみなどをあらためて体系的に学ぶことができました。
古墳や埴輪に少しでも興味がある方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
本の帯のキャッチコピーは「王が、巫女が、馬が、水鳥が、力士が! ここまでわかった古墳時代」
今年の6月に出たばかりですので、まだ本屋さんの「ちくま新書」のコーナーに並んでいると思います。
2013年の発掘された日本列島展で見た、仁徳天皇陵出土の「埴輪女子頭部」
発掘された日本列島2013 @江戸東京博物館 - 墳丘からの眺め
こちらも古墳巡りをはじめた当初に出会った「ムササビ形埴輪」
下総歴史民俗資料館 ムササビ形埴輪 人頭形土製品 - 墳丘からの眺め
群馬県で実施した「群馬HANI-1(はにわん)グランプリ」堂々1位の「笑う埴輪」
こちらも群馬県、塚廻り4号墳出土の「ひざまづく男子」は驚くほどリアルでした。
「集まれ!ぐんまの はにわ たち」展 @群馬県立歴史博物館(開館40周年記念展) - 墳丘からの眺め
奈良県の橿原考古学研究所付属博物館で見た、奈良県磯城郡三宅町・石見遺跡出土の「椅子に座る男性」
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 奈良県橿原市畝傍町 - 墳丘からの眺め
群馬県高崎市の保渡田古墳群のレプリカ。
大阪府高槻市の今城塚古墳外堤上に再現された、日本最大級の埴輪列。
その列中の、力士。