今年の5月に刊行された本です。
著者の本の購入は3冊目。
いずれの本も、古墳時代の倭国と朝鮮半島との関係について、墳丘や出土品という”現物”をもとに深い洞察がなされた、読みやすくて大変興味深い内容です。
以前から、古墳に副葬された装飾品、特に金属製の耳飾りを博物館などで目にした際には、現代の作家の手になると言われても信じられるようなデザインに惹かれていました。
今回この本で、装飾品は古代朝鮮の新羅・百済・大伽耶からの”贈り物”と考えられ、それぞれの国での特徴があること、日本列島にて倭風化の様子が見られることも知りました。
アクセサリーといえども、そこには当時の技術の粋を結集されており、有力者同士が同様のものを身に着けることによって政治的なつながりを演出する、ということもあったようです。
本書では耳飾りだけでなく、冠や飾り帯、飾り履、首飾りや腕輪、指輪にも触れていますが、主役は耳飾り。
次に見る機会があれば、この本を手に、どの国からの傾向がみられるかを実物から感じ取りたいと思いました。
東博に展示されている、新沢千塚126号墳からの金製垂飾付耳飾(下)
考古系の常設展示から @東京国立博物館 上野 - 墳丘からの眺め
「しきしまの大和へ」展で見た、新沢千塚などからの金製垂飾付耳飾り。
「秋の特別展 しきしまの大和へ~アジア文華往来~」 @古代オリエント博物館・池袋 - 墳丘からの眺め
姫路市宮山古墳出土品のレプリカ。