3月5日の土曜日、川崎市の蟹ヶ谷古墳群の現地説明会に参加しました。
会場の神庭緑地の様子です。
前回ここを訪れたのは3年前でした。
蟹ヶ谷古墳群 神奈川県川崎市高津区蟹ヶ谷 - 墳丘からの眺め
現地には、説明会の案内文も掲示。
(前略)
蟹ヶ谷古墳群は、高津区蟹ヶ谷の神庭特別緑地保存地区(神庭緑地)の中にある6~7世紀の古墳群で、4基の古墳があります。過去の調査で、そのうち1基は市内で現存する唯一の前方後円墳であることがわかるなど、川崎市にとって重要な遺跡であることが判明しました。
こうした成果を受け、川崎市では、古墳群の全容解明を進め、川崎市の古代史の解明に取り組んでいくため、専修大学・日本大学・鶴見大学・多摩川流域遺跡群研究会と連携して、蟹ヶ谷古墳群の調査研究を実施することとなりました。
今年度は、古墳の築造年代や形状などを確認するための発掘調査を実施します。そこで、発掘調査によって明らかになった成果を多くの皆様にいち早く知っていただくために、現地説明会を開催いたします。(後略)
上記にも(そのうち1基は)前方後円墳とありますが、説明会ではこの1号墳は調査の結果、前方後円墳かは分からなくなっている、とのことでした。
手前側の高まりは古墳であるが、奥側はどうも違うようとのこと。
鞍部と思われていた部分のトレンチ。
右側のトレンチの突き出た部分の上部が、この神庭緑地全体のもともと地表面と見られるそうです。
その左側は幅広の溝だったものが埋められた形跡がみられ、中世の山城(井田城)遺構の可能性もあるとのこと
こちらは2号墳。
トレンチで墳丘断面が観察できましたが、主体部にはあたっていない様子でした。
墳丘下には弥生期の住居跡が4軒分、検出されたそうです。
2号墳と神庭緑地。
北西側に少し降りた先が4号墳。途中の高まりは以前は5号墳と見られていた場所。
その先の岬のようなところが4号墳で、頂部(テーブルの下あたり)から須恵器の破片が発見されています。
その先は急斜面。
斜面の擁壁整備の際に横穴墓が見つかっているとのこと。
北西側の眺め。
ズームした台地の上が、橘樹郡衙跡です。
6年前に川崎市のツアーで訪ねましたが、今後郡衙の建物が復元されるなど、史跡としての整備が進むそうです。
たちばな古代の丘緑地 「史跡めぐり 古代の橘樹をゆく」ツアー・2 - 墳丘からの眺め
4号墳から神庭緑地方向を振り返って。
2号墳の前の梅の木。
いい香りが漂っていました。
ぶじんさんのサイトに、説明会の内容が簡潔にまとめられています。