前回のつづき。
古墳時代のコーナーにての2つのエリア。
銀装大刀が三振りと銅椀などが並ぶ展示は、茨城県つくば市の下河原崎高山古墳群(古墳時代終末期・7世紀)
11基ある(あった?)古墳群のうち、5号墳(墳長40mの前方後円墳)から埋葬施設が発掘されています。
下河原崎高山古墳群 古墳時代末期 7世紀
西谷田川左岸の台地上に立地する11基からなる古墳時代終末期の古墳群です。本古墳群の中でも最大規模の前方後円墳である5号墳(墳長40m、墳丘高3.5m)の調査で、2か所の埋葬施設が見つかりました。
2か所の埋葬施設のうちのひとつの石棺は未盗掘だったとのこと。
ふたつの埋葬施設は後円部の南側にあります。一方は石棺が完全に抜き取られていましたが、もう一方は未盗掘の状態を保っていました。未盗掘の石棺では、7世紀前半から8世紀前半にかけて埋葬が行われました。
ひとつの石棺から21体以上の人骨が。
未盗掘の石棺から銅製の椀や大刀などの副葬品と多数の人骨がみつかりました。人骨は21体以上確認されており、乳幼児から成人まで幅広い年齢が含まれます。DNA分析から血縁関係が判明したものもあり、貴重な成果があがっています。
検索すると、 2016年10月に行われた現地説明会の記事が。
【茨城新聞】つくば・下河原崎高山古墳群 石棺から人骨や副葬品
茨城新聞の動画ニュース。
現説時の詳しい資料も残っていました。
https://www.ibaraki-maibun.org/01joho/pdf/20161008shimokawarazaki.pdf
当時や現在の様子は、昇寛さんや”あんけん”さん、 ”怠け者の散歩道”さんのブログで知ることができます。
グーグルアースでも、5号墳の現場(?)が。
もうひとつの古墳は、佐賀県多久(たく)市の牟田辺(むたべ)遺跡。
牟田部遺跡 古墳時代後期 5世紀末~6世紀中葉
佐賀県中央部、聖岳の北東にある丘陵上に立地する古墳時代中期~後期の古墳群です。前方後円墳や円墳など14基で構成され、平成29・30年度にこのうちの4基について発掘調査をおこないました。
全長18.5mという小型の前方後円墳(9号墳)から豪華な副葬品が出土。
9号墳は、5世紀末に築造された墳長18.5mの小型の前方後円墳です。横穴式石室から、刀や矢じりなどの鉄製品や玉類の他、全国でも珍しい獅噛文帯金具など、首長クラスの古墳に匹敵する豪華な副葬品がみつかっています。
10数例しかないという獅噛文帯金具が!
獅噛文帯金具は、獅子のような獣の顔をあしらった小型の金具で、帯に付ける飾りの一種です。これまで朝鮮半島と国内で10数例しか発見されておらず、朝鮮半島と北部九州の交流を物語る重要な資料です。
その獅噛文帯金具をアップで。
以前に東博で見たものと、大きさ・形が似ていました。
上記が出土したのは岡山県瀬戸内市の牛文茶臼山古墳。記憶に残る墳行でした。
つづく。