前回の、年の神古墳群からは南西に5㎞ほど、砂川を渡った先の台地上に大野窟(おおののいわや)古墳があります。
集落の道路から古墳への枝道は急な坂だったので、手前で下車。
坂の上に、迫観音堂。(よくみると石垣が膨らんでいますね)
観音堂に参拝。
石段の下に、大野窟古墳の標柱があります。
標柱の矢印に沿って回り込むと、施錠された開口部があります。
その手前にあった説明板。
熊本県指定史跡
大野窟(おおのいわや)古墳
昭和60年11月19日指定
熊本県教育委員会
平成3年3月建大野原台地にあるこの古墳は直径約39m、高さ11.5mの円墳で、西南の方向に開口する複室の横穴式石室をもつ。石室の全長は12.4m、玄室の高さは6.48mあり、県下最大の規模を誇る。
玄室は長方形で、奥壁に石棚があり、その下にくり抜きの家形石棺と二つの屍床がある。
羨道、前室などに白、赤色の彩色が認められるが図柄はわからない。
成立年代は6世紀後半のものと考えられ、火君に関連する古墳と推定される。
上記の説明板では「円墳」ですが(自分も現地では円墳と思ってしまいましたが)、平成15~20年度の発掘調査で墳長約123mの前方後円墳であることが判明し、国史跡にもなっています。
文化遺産オンラインに詳しい解説があります。
大野窟古墳の築造時期は6世紀後半と推定され、古墳時代後期の九州において福岡県八女市の岩戸山古墳(墳長138m)に次ぐ大きさで、石室天井高の6.5mは国内最高。
墳丘は2段築成で、前方部前面がやや突出する剣菱形、周囲に盾形の周濠が巡ると推定されるが前方部前面側については土坑が周濠状に並ぶとのこと。その土坑の一つからは20点以上の須恵器がまとまって出土し、大甕や高杯、器台などのほか、新羅系の陶質土器も含まれるそうです。
グーグルアースでも、前方後円形がわかりますね(上が後円部、下が前方部)
柵扉越しに開口部を。
ズームして。
平家蟹さんは、2014年に入室されています。
現在は熊本地震の影響を受けて閉鎖中。再び見学できる日は来るのでしょうか…
扉柵にQRコードがありましたが、こちらでは室内での全周画像が見られました。
https://sketchfab.com/3d-models/c60649fcf3f243c9ba3fe24599e26a68
大野窟古墳へ行った際、北に600mほどの「高塚装飾古墳」へも向かいましたが到達できず。
上記の右の分岐に「高塚どんの墓 高塚装飾古墳」とあったので上がっていきましたが、「高塚どんの墓」しか見当たらず。
あらためてマップを見ると350mも南東でした。
氷川町のサイトによれば5世紀後半の円墳で、墳丘に直葬された組合式家形石棺の内部には、円文・鏡と考えられる模様が浮き彫りや、石棺内部に衝立状のものが付く別作りの石枕が見られるとのこと。
高塚装飾古墳(たかつかそうしょくこふん) / 観光情報 / 氷川町
こちらも、平家蟹さんのサイトをご覧ください。
いつか訪ねたいと思います。