墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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私が古墳探訪にハマる10の理由

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由

〇〇は「古墳探訪」です。

 

2013年、ブログの開始とほぼ同時に古墳巡りを始めました。2014年からブログを毎日更新するようになりましたが、今回で3138記事目。その3割くらいが古墳に関することだと思うので、1000基ぐらい訪ねたと思います(多分)

お題をいただいて、改めて自分は古墳探訪にハマり続けていると再認識しましたので、その理由を挙げてみます。

 

【1】リアル遺跡としての魅力

古墳は、3世紀中頃から7世紀初頭までの古墳時代に築造された墳墓です。つまり今から1300年~1750年ほど前に、その時代の最先端の技術を用いて大変な労力をかけて造られ、人の心を魅了したであろう立体構造物であり、オリジナルがいまだに形を成しているという事実に惹かれます。

 

【2】形状の魅力

前方後円墳の形状は日本オリジナルであると言われています。全長の大きな古墳では、前方部裾から見上げた雄大な大きさや、前方部に上がって後円部を見たときの左右のくびれ部カーブに痺れます。

大きさに階層性が見られること(〇分の1相似形がよくある)ことや、前期・中期・後期と変遷すること、前方後方墳や円墳、方墳、そのほかにも形状のバリエーションがることも、大変興味深いです。

 

【3】技術の魅力

土木の労力が人手に限られた時代に、よくぞこんなものを作ったと感動します。運んだ土や巨石にも気が遠くなりますが、幾何学的な立体形状を正確に築くことは大変です。水平をとったり斜度を一定にしたりする技術があったのでしょう。前期古墳では前方後円形を地山から彫り出して築いているケースもあります。抽象的・計画的な頭がないと作れないと思います。

 

【4】立地の魅力

墳丘は大抵は風光明媚な場所に立地しています。前方後円墳は単なる墓ではなく、ヤマト王権の威力・威光を見せつける装置でもあったという説があるとおり、古墳はその時代に人々が暮らした土地や通った陸路・海路からよく目立つ場所に造られています。最初に造られた恒久的な人工構造物なので、一番いい場所を選んだのは当然であると思います(その後に城などに改造されたところも…)

目立つといっても、旧道や川沿いの台地の上端の立地、近代に開発された街の中心からは離れていて開発の手から逃れられているところも結構あるように感じます。

そんなエリアの墳丘からの眺めは、もちろん最高です。

 

【5】素朴な謎

墳丘を築く際には、浸透性の異なる素材の土層を交互に突き固める「版築」工法や、「土塊」を重ねていく工法などが用いられているとのことですが、単なる土盛りが千年以上も高さを維持しているのはとても不思議です。雨は草木がカバーするのでしょうか。ある場所の埋蔵文化財センターの方にお聞きして「ミミズ説」もあることを知りました。

 

【6】圧倒的な数

日本列島にある古墳の数は15万基から25万基(幅ありすぎ)になるそうです。その多くは円墳などの群集墳になりますが、前方後円墳だけでも5000基近くになります。

一生かかっても回り切れませんが行けば行くほど、では他の場所はどうなっているのだろうと興味がわく仕組みになっています。

 

【7】それぞれの個性

古墳と言えば一見同じようで、個性の違いがかなりあります。形状や大きさ、立地の違い、さらに埋葬施設となると石室の形状、石の積み方や石材の違い、装飾の有無など、バリエーションが豊富です。

残っている状況も異なります。古墳公園として整備されたものから、遭難の危険を感じる場所まであります。

 

【8】付帯する芸術品~副葬品と埴輪

副葬品は遺体とともに棺に納められた装飾品や鏡や武器、埴輪は墳丘上に並べられていた焼き物です。これらは現地で見られるものではなく、博物館や郷土資料館で見ることになりますが、この世界もそれぞれで奥が深いです。

埴輪は、なぜか「おどる埴輪(埼玉県熊谷市野中古墳出土)」がその素朴さで(?)突出して有名ですが、リアルな埴輪、カワイイ埴輪、魅力的な埴輪が沢山あることを知るようになりました。

 

【9】行ってみないとわからないというワクワク感

みなさんは旅行に行く際、目的地について事前にどの程度調べますか?

古墳探訪では最低限、特に車を使う場合は駐車可能な場所はあるのか、そのルートで墳丘に辿り着けるのか、その季節や天候下に行って大丈夫なのか、などある程度はきちんと調べる必要があります。(最近はグーグルマップのクチコミに助けられます)

しかし事前に調べすぎると「確認に行く」気持ちになりがちでは。

あまり知られていないからこそ、現地で「おおー」と声が漏れる予想超え体験が可能なのが古墳探訪ではないかと思います。

初めて訪ねるエリアでは探訪候補地が目一杯になりがちで、しかも時間が読めない(行ってみたら広かったり、迷ったり、藪だったり…)で、日没までにどこを最低巡るのか、どこはパスするかを時間を気にしながら行動します。泊まりの場合、出発は夜明け前。なので行きたいところをほぼ回れた時には結構な達成感も。

 

【10】探訪記録を見てくれる方がいる

行くだけで楽しい古墳探訪ですが、ハマる程になった理由は、ブログの存在が大きいです。

自分の場合、記録だけが目的だと整理が苦痛になると思います。これまでの写真は1万枚超。はてなブログと出会って、初めて可能となったハマりだと思います。

そしてやはり、「読者」となって見てくれる人がいるからこそ、継続の原動力になっています。

さらには古墳を愛する方々との出会いも!

 

 

古墳には四季折々の姿があります。これからも沢山訪ねて行きたいと思います。

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2017/04/20/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2016/08/14/180000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2017/12/22/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2019/01/20/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2019/05/10/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2020/05/15/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2020/09/28/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2019/08/05/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2019/11/07/000000

 

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https://massneko.hatenablog.com/entry/2018/04/14/000000

聖天宮 埼玉県坂戸市塚越

前回の雷電塚古墳群から1.3㎞南西にピンが立つ、「五千頭の龍が昇る聖天宮」に興味が湧いて訪ねてみました。

 

田園地帯に道教寺院の「天門」が出現。黄色い瓦が載る反り返る屋根の両端には龍が。

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入口前の説明板。

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聖天宮(せいてんきゅう)
所在地:坂戸市大字塚越
聖天宮は、中国、台湾の伝統宗教、道教のお宮です。道教は中国の三大宗教(仏教、道教、儒教)の一教です。信仰は中国史に遡り、聖天宮には道教の最高神、三清道祖(元始天尊、道徳天尊、霊寶天尊)と道教の神々が祭祀されています。
聖天宮は「康國典大法師」が建立されました。大法師は、若くして大病を患いましたが「三清道祖」に祈願し、7年の闘病生活を経て病が完治されました。大法師は感謝の気持ちを抱き、多くの人々にも「三清道祖」にすがれるようにお宮を建てることにしました。建立地を探していたところ、坂戸のこの地にとお告げがありました。
聖天宮は昭和56年より着工し15年の歳月を経て、平成7年に開廟しました。現存する道教のお宮では国内最大級です。装飾品は台湾より運び、台湾の宮大工によって建造されました。一万点以上の彫刻で飾られた天井、高さ5mもある龍の柱、千年木で彫られた門飾りは必見です。
宗教法人 聖天宮

 

拝観料500円を納めて門をくぐります。その先の広場と、両脇に塔(鼓楼と鐘楼)を持つ前殿。

何かのレプリカではなく「そのもの」です。

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斜めから。本格的コスプレの方がカメラマンに撮られていました。

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カラフルな色彩が青空に映えています。

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前殿の内部。柱が見事。

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龍が彫り抜かれた柱も。

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この前殿にて、細かいプロセスがあるおみくじを引けます(確か、200円)

籤を引いてから陰陽札を落とし、陰と陽の組み合わせになればOK。そうでないともう一度落とすか引き直すか。

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自分は陰陰、陽陽、陰陽で一度引き直して、出た目が30番で小凶。「火遊びに注意」とは?

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裏には「暖かいところは良い」などの具体的助言がありますが、その中には「色ごとは身の破滅になる」とも。そんな”機会”の気配は今のところ皆無です。

 

前殿の天井です。

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ガラス越しに見る本殿。

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本殿の「三清道祖」

一歩下がったところは撮影可でした。

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本殿の天井。目が回りそうでした。

解説をしてくださる方もいらしたので、なぜ台湾の方はこの地に建立されたのかを伺うと、本当にお告げなのだとのこと。

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本殿から振り返った前殿。

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屋根の端には龍と鳳凰が載っていました。

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鐘楼と鼓楼にも登りました。

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鐘楼の鐘は午後3時に自動で鳴るそうです。

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間近で屋根装飾が見られます。

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非常な迫力でした。

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楼から見た天門。向こうには畑が広がっていました。

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勧誘などはありません。気軽に異国情緒を味わえます。