墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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稲荷森古墳 山形県南陽市長岡稲荷森

前回のつづき。

赤湯駅に着いたのは10時半少し前。ここからレンタカーを予約していた。雪があったが鶴岡ほどではないので予定どおりに借りる。

 

駅にあった周辺地図。中段右端に稲荷森古墳(いなりもりこふん)の紹介があった。

稲荷森古墳(Inarimori Ancient Burial Mound)
古墳時代の初めの頃(4世紀)につくられた県内最大の古墳です。1980年に国指定史跡となり、史跡公園のように整備されました。古墳の頂上に登れ、敷地内には古墳の模型等を置いた学習コーナーもあります。(駐車場と手洗いは、冬季以外使用できます)

 

稲荷森古墳は駅からは車で4分、徒歩でも17分と見学しやすい距離にある。

後でグーグルアースを見ると、そのきれいな形が確認できた。

 

そのグーグルマップを頼りに進んでいくと、雪をかぶった墳丘が出現した(後円部先端裾側から)

 

右へ回り込むと登り口が見えた。右奥が前方部。 

全長96m、東北地方で第6位、山形県で最大の前方後円墳。

 

墳丘のカーブが美しい。

 

横から見た後円部。

 

踏み跡のない新雪の上を歩く。ほどよい積もり加減。

 

墳丘上に立つ。くびれ部から前方部。

植木で囲まれているので、すべり落ちる心配がない。

 

”稲荷森”だからキツネのキャラクターか。上記の写真を撮った位置が矢印のあたり。

 

 前方部の端から後円部方向。

 

前方部先端から南側を見ると、200mほど先の長岡南森遺跡の木立がよく見えた。

平成28年~29年の南陽市による調査(レーザー測量含む)で、墳長161~168mの前方後円墳の形状であることが確認された。二重口縁壺(にじゅうこうへんつぼ)を含む多量の土器片や周濠、テラスなどが見つかっていて、下記の記事では「8,9割は古墳」とのコメントが見られる。

https://www.sankei.com/region/news/180529/rgn1805290037-n1.html 

もし168mであれば、東北地方最大の雷神山古墳(宮城県名取市)と同じサイズとなる。

 

 

稲荷森古墳の後円部に上って振り返ったところ。左の足跡はキツネ?

 

墳頂の様子。向こうの大きな建物は南陽市立赤湯小学校。

 

後円部墳頂にもキツネの説明。

 

 

西から北のパノラマ。

 

北から東のパノラマ。

 

東から南のパノラマ。

 

南から西のパノラマ。

 

この古墳は台地の縁ではなく、平野部に、しかも二基が隣り合うようにして築造されている。 

 

古墳の西側のこちら側、郡山地区では、道路をつくる際に古代置賜の郡衙(役所)跡が見つかっている(と、下記の本に紹介されていた)

東北古墳探訪―東北六県+新潟県古代日本の文化伝播を再考する

東北古墳探訪―東北六県+新潟県古代日本の文化伝播を再考する

 

 

 くびれ部に戻って後円部斜面(右)を。キツネが説明していた「段築」が見て取れる。

 

上記と反対の左。

 

雪の墳丘を堪能させていただいた。

 

墳裾からも段築が。

 

最初に後円部北側からアプローチしてしまったが、南東側に駐車場や東屋があった。

 

近づくと雪に埋もれた説明板も。

 

車にあった雪かきを使わせていただいた。

 国指定史跡 稲荷森古墳
指定:昭和55年(1980)5月24日
所在:南陽市長岡1175番地他
指定事由:昭和9年の発見後、諸調査の結果、東北地方有数の規模(県内最大、東北地方第6位)を持ち、日本海側では北限の卓越した古式の前方後円墳と判明し、東北古代史を解明する上で重要な位置を占める。
古墳の寸法:全長96m、後円部直径62m、前方部の長さ34m、後円部の高さ9.6m、前方部の高さ4m
指定地面積:10,182.7㎡
平成5年3月 南陽市教育委員会

・稲荷森古墳とは?
古墳時代のはじめのころ、いまから1600年以上前(4世紀)に、この地方を治めた首長(王)の墓です。
・古墳のかたち
四角い「前方部」と円い「後円部」から成り、前方後円墳といいます。後円部は3段に、前方部は南側が部分的に2段につくられています。
・古墳の特徴
埴輪、葺石、周濠はありません。また、前方部は後円部に比べて小さめにつくられています。
・埋葬施設
内部の埋葬施設は、わかっていません。石室は作られず、木のお棺を直接埋葬したとおもわれます。

 

説明板はもう一つ。

稲荷森古墳案内図
昭和62,63年に、史跡整備のために南陽市教育委員会が行った発掘調査や諸調査に基づき、平成元年度から同4年度まで、保存と活用を目的とした整備工事が行われました。
墳丘は保存状態が良好なため部分的修復にとどめ、全体としては現状保存をめざし、また自生植物により墳丘斜面を保護しております。

 

上記の右側の「南陽市内の古墳時代の遺跡」マップ。現在地は右下の白い鍵穴形。

多くの古墳群(赤い丸)が山裾に存在し、稲荷森古墳が特別な位置にあるように見える。

 

雪かきした説明板を。中央の鉄板は「注意書き」

 

青い空と白い古墳!

 

横位置で。左が前方部、右が後円部。

 

斜め前から。左が前方部。右が後円部。

 

前方部先端裾から。奥が後円部。