井寺古墳の墳丘を見た後は、高速で南西に戻って塚原古墳群の下を通過して、その先の高速(九州縦貫自動車道)に沿うように宇城市から八代市にかけての台地端に点々と続く古墳を辿っていきました。
初めに訪ねた、宇城市の年の神(としのかみ)古墳は平野部の立地でした。
集落の道路から民家の裏手へ。
少し残った盛土の上に石室石材とみられる石が残っています。
昭和29年の台風による倒木で石室が現われたそうですが埋め戻され、形も変わってしまっているとのこと。
年の神古墳
巨石横穴型古墳で、6世紀以後の後期古墳である。数値はわからないが以前は円形の盛土があったらしく、その傍らには大楠があったが、昭和29年の台風の際にその楠が倒伏し盛土を壊し、初めて石室が現われ、その中に人骨一体分があった。
その後、倒伏した大楠を整理し又壊れた盛土で整地、人骨は石室の中に埋め、その上に板石を置き、さらに石造の神(年の神であろう)を祀ったという。現在蓋石や羨道部の石も見られず相当現状は変更されている。この石室に用いている石が後方山地に産する白一色の石灰岩を使用していることが他の石室墳と異なっている。
祠としては地元の方々に愛されている感じです。
祠の左右の巨石は、側壁あるいは天井石でしょうか。
背後の桜の木は、昭和47年に植えられたものでした。碑も立派。
満開の時に再訪したいです。
背後に田んぼが広がりますが地理院地図でみると標高は10mほど。500mほど離れた国道3号から西は標高2m程度になります。
(2021年11月訪問)