墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

堀商店(堀ビル) 東京都港区新橋

今回も”蔵出しシリーズ”。昨年9月に訪ねて”下書き”のままとなっていた。

 

新橋駅の西口から外堀通りに出ると、クラシックなビルがすぐに目に付く。

・堀商店 昭和7年(1932)築、東京都選定歴史的建造物。

 

交差点側の角は丸くカーブを帯びている。スクラッチタイルはイギリスから取り寄せたものだそう。レリーフにも非常に凝ったもの。

 

お城のような塔屋もある。

 

背後からビルが迫っているが、下記の公式サイトには、今と違って周囲が広く見渡せたであろう竣工当初の姿が見られる。

 

堀商店は明治23年に創業した錠前・建築金物の製造販売店。

www.hori-locks.co.jp

上記によれば、建物は公保敏雄と小林正紹による共同設計で安藤組施工。

「昭和初期を代表する商業建築であるとともに、近代東京の商業地区における都市住宅の系譜を知る上でも貴重な建物(出典:「港区歴史的建造物所在調査 報告書」港区教育委員会)」との記載があった。

小林正紹は国会議事堂設計にもかかわったという大蔵省技師で、明治神宮外苑の絵画館(旧聖徳記念館、大正15年)も手がけている。

massneko.hatenablog.com

 

窓や扉周辺の意匠も見事。

 

1階内部はショールームになっていて見学することができた。受付の方に撮影可と確認。

 

蝶番(ちょうつがい)や錠前が作品のように並ぶ。

 

古いタイプのものもあり、見ていて楽しい。

 

打ち合わせ用(?)の家具もクラシックだった。

 

一画には暖炉も。手になじみそうなキーホルダーも販売されていた。

 

先ほどのサイトによれば、2階・3階は事務室、最上階は居住用で、当時の東京で高層化した商業建築に見出せる建築構成とのこと。

 

玄関前にカーブする石段にエンブレムが施されていた。

いつまでも現役でいて欲しい建物だった。