仕事の合間のスキマ時間で、これまで「前を通り過ぎたことしかなかった」この著名な建物を見に行った。地下鉄・内幸町駅のそば。
市政会館・日比谷公会堂 1929(昭和4年)竣工 設計は佐藤功一
3枚の扉がある重厚な正面入口。
扉の装飾。菱形と長方形の組み合わせ。
扉の右の外壁に説明板があった。
東京都指定歴史的建造物
市政会館・日比谷公会堂
所在地 千代田区日比谷公園1-3
設計者 佐藤功一
建築年 昭和4年(1929)大正9年(1920)に東京市長に就任後、東京市政のための中正独立の調査機関設置を構想した後藤新平は、大正11年(1922)に東京市政調査会を設立して自ら会長となった。後藤は、安田財閥・安田善次郎の寄付を受け、日比谷公園内に公会堂を付置した会館を建設し、会館は調査会た使用し、公会堂は東京市の管理に委ねることとした。これが現在の市政会館と日比谷公会堂である。
建物は、著名な建築家8名による指名設計競技の結果一等に当選した佐藤功一の設計をもとに、本格的なホールを備えたわが国最初の施設として、昭和4年(1929)に竣工した。全体が茶褐色のタイルで覆われたネオ・ゴシック様式で、建物中央に時計塔がそびえたつ。一部の窓に使われた黄色テラコッタが、垂直性を強調したデザインにアクセントをつけている。 東京都生活文化局 平成8年3月
エレベーターホールはタイル張り。エレベーター壁面は高級そうな石が使われていた。
はいってすぐ右の「市政専門図書館」 タイルのアーチが見事。
エレベーターは動きもゆっくりで重厚。6階までで7、8階は階段のみになる。手すりのカーブが気持ちよかった。
外に出て、日比谷公会堂側(建物北側)に回る。
「近代化産業遺産」のプレートもあった。
壁の凹凸に沿った横帯がリズミカル。説明板にある「一部の窓に使われた黄色テラコッタが、垂直性を強調したデザインにアクセントをつけている。」とはこの横帯のことだろうか?
日比谷公会堂側正面。レンガの壁面面積が広い。
「東京都 日比谷公会堂」のサインも昭和初期風。
左から2番目のドアを入るとかつての切符売り場があり、その先にはカフェがあった。こちらの字体もオリジナル?
かつての催事のポスターや建設中の写真も展示されている。
その名も「日比谷アーカイブカフェ」
高い天井、昔風のソファ。
日比谷公会堂80年の歩みの年表も。
蓄音機の展示。時間がなかったのでまた改めてコーヒーを飲みに行こうと思う。
カフェを出た目の前に広がる日比谷公園。
市政会館側面の階段下のカーブも美しかった。
※以下はWikipediaより、近代化産業遺産(経済産業省が認定)について
2007年に33件の「近代化産業遺産群」と575件の個々の認定遺産が公表され、さらに2009年に近代化産業遺産群・続33として、新たに33件の「近代化産業遺産群」と540件の個々の認定遺産が公表された。日比谷公会堂は、後者の「続33」の21番目「都市娯楽・消費文化」のカテゴリーで、伊勢丹本店本館、三越日本橋本店本館とともに認定されている。
ちなみに、文化庁が指定する「近代化遺産」というものある。
幕末から第二次世界大期までの間に建設され、日本の近代化に貢献した産業・交通・土木に係る建造物。重要文化財の建造物で「近代/産業・交通・土木」に分類されるもの、及び重文以外のものもあるそうだ。