4月14日の土曜日、一般社団法人住宅遺産トラスト(http://hhtrust.jp/about.html)が主催する近代建築見学会に参加した。
逗子駅で降りて、葉山の方へ向かうバスに10分ほど乗って向原(むかいはら)バス停で下車。枝道を行くとすぐに門があった。
植木の間を入っていくと門からは見えなかった建物が現れてくる。
昭和8年(1933)に竣工した旧足立正別邸。設計は早稲田大学建築学科の創設に関わり、大隈記念講堂(1927)や日比谷公会堂・市政会館(1929)などを手がけた佐藤功一(1878~1941)
瓦屋根(三州赤瓦葺)は和風だが、柱を壁の外側に露出させるハーフティンバー様式でまとめられている(実際は構造材の柱ではなく、付け柱だそう)
内外壁には「トマテックス」というボード(植物繊維板~木と紙の間のような素材)が用いられている。施主の足立正氏は当時の王子製紙社長で、”トマ”テックスは王子製紙・苫小牧工場で作られたという商品名。自らの別荘をいわば建材のモデルハウスにもされていたようだ。
戦後に持ち主が変わり今でもそのご家族が住まわれているが、創建時の姿をかなりよく維持されていた。それだけ耐久性があったことにもなる。
玄関で受付をして内部へ(内部は撮影不可)
部屋が十数室あるのは足立家はお子さんが多かった(11人)からだそう。それぞれの部屋で使われている天井や壁の「トマテックス」を見学できた。厚みを変えたボードで市松模様のようなデザインがあったりと見ごたえがあった。
下は応接室のステンドグラスを外から見たところ。
玄関の脇から回って裏側から建物の短辺。
そこから右方向、建物の長辺側。
裏庭の給水塔も味わい深い雰囲気を出していた。
住宅遺産トラストのサイトで内部の様子も見られる。