明治大学名誉教授の大塚先生の古墳ガイド最新版。
帯には「70年研究したけどまだわからない。だから、古墳は面白い」とある。大塚先生は1926年生まれの88歳。
発行元の実業之日本社の担当編集者である木庭将氏(古墳1年生とあります)との会話形式で古墳全般の解説と、全国各地24の古墳(群)の解説と、巻末に49の「セレクト古墳リスト」が掲載されている。
紹介されている古墳は、実際に大塚先生が発掘された場所もあるので、話に迫力がある。
茨城県行方(なめがた)市の三昧塚(さんまいづか)古墳や群馬県高崎市の観音山古墳。(どちらも昨年探訪しましたが、心に残る古墳でした)
【再掲】三昧塚古墳 2013/5
http://massneko.hatenablog.com/entry/2013/05/07/094329
【再掲】観音山古墳
http://massneko.hatenablog.com/entry/2013/08/14/110548
藤ノ木古墳は、関西に行く機会があれば最初に行きたい場所だが、ここの解説でも発掘時の熱気と緊張感が伝わってくる。
(藤ノ木古墳では「夏休み親子ふれあいガイド」を実施するそうです)
http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/spot14/natuyasumigaido14.html
読みやすいガイドブックだが、古墳時代の考古学の第一人者だからこそのコメントがそこここにあって、興味深かった。
あとがきのところに、先生が考古学の道に入ったきっかけが書かれている。
大塚さんは学校で神武天皇からの神話を教わって育った。太平洋戦争がはじまったので、大学へは行かず海軍に志願した。済州島沖で潜水艦攻撃を受け、乗っていた船が沈没したが命からがら脱出した。仲間が波間に沈むのを見ながら、自分が習ってきた神国日本の歴史はなんだったのか、生きて帰れたら科学的な根拠に基づく正しい歴史を学んで子供たちに教えようと思った、とのこと。
江東区文化センターでの講演会、抽選漏れしてしまった。次の機会を待ちます。