富田1号墳は富田北小学校の構内にある。
まず事務所に伺うべきだったが、開いていた校門の向こう、校庭の先に土の盛り上がりと案内板が見えたので、思わずそちらに足を運んでしまった。
滑り台の奥が古墳っぽい。
しっかりした説明板があった。
以下は説明板の転載。
富田1号墳(町指定史跡) 香取郡小見川町富田1010
利根川右岸の標高約5mの微高地にある全長約38mの前方後円墳で、6世紀代の築造と推定されています。後円部の高さ2m、前方部の高さ2.4m。現在は形がかなりくずれてわかりにくくなっています。
発掘は明治33年5月に行われ、土師器(素焼きの土器)、人物埴、円筒埴輪が出土しています。富田地区には、このほか2基の前方後円墳があり、古代人の足跡をしのばせています。(おみがわふるさと小径設置事業)
説明版の横から上らせていただいた。後円部から前方部。グランド側が2箇所崩れていた。
前方部から後円部。それでのきれいに墳丘が残っている。
ここで、4人のこどもたちが近づいてきた。(右上)
「きれいな古墳があるね」と言ったら、「墳丘に上ってはいけない」と注意された。
はじめに事務所に行くべきでした。ごめんね君たち。
でも、立派な古墳が校庭にあることを、誇りに思っているようで頼もしかった。
4人は、Stand by Me のような感じだった。
校門の正面には、立派な銀杏並木もあった。
次に、富田3号墳を目指す。「房総の古墳を歩く」の地図によると、500mくらい離れている。
適当な場所に車を停め、国道356号(利根小見川ライン)と並行する細い生活道路を歩いていく。
背の高い生垣だが、これがとても美しい。途中でその生垣の手入れをしている方がいたので、「房総の古墳を歩く」を見せながら道を伺った。
「神社ならすぐ先だが、古墳とははじめて聞いた」とのことだった。
民家の屋根越しに社の木々が見えたのですぐにわかった。
案内板はないが、社殿が土盛りの上にある。
利根川の方向からの風が強いのか、社の一方に防備が施されていた。
小さな社だが、彫り物が立派だった。
複数の祠が林立しており、墳丘はかなり改変されているようだった。
本殿の左側との境界には小道があり、一周できる。
さきほどの反対側にも鳥居がある。こちらが前方部か?
帰りに、また生け垣の剪定をされている方にお礼を言った。
ご主人は、富田1号墳のある小学校の卒業生だった。かつて(35年前と言われた)は、墳丘に上がれたが、さすがに歴史ある小学校なので年々斜面が崩れ、今は登頂禁止にしているそうだ。校庭に古墳があることを誇り思われていることは、先の小学生と一緒だった。
ちなみに生け垣の木は槙(まき)だそうだ。葉の密生度合、枝の成長度合い(つまり手入れの必要度合い)がちょうどよいとのこと。
地区全体で統一されているようで、気持ちのよい道だった。
つづく。