墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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いちはらアート×ミックス⑥ あそうばらの谷 

5/11(日)、回れなかった2ヶ所を制覇したいと子供が言うので、午後から連日の市原行。期間中有効の入場券に「改札鋏」を入れるという仕組みに誘引された形。

残っている会場が養老渓谷にあるので、つい最近写真集で目にしたトンネルも見に行った。

3回も行くと、道も通い慣れる。

高さの違うトンネルが途中でつながっていて、上半分が空洞になっている。

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トンネルは、清澄養老ラインの道沿いの天龍荘という旅館のそばから弘文洞へ向かうルートにある。2つのトンネルは勾配も違っていて、両方の入り口から接合点に向かって登る形になっており、ライトが点いてないと車が見えなかったりする。

 下記の写真集で知った。出ていた写真は夜に撮られていて幻想的だったが、昼は明るい日差しが差し込んでいた。

東京幻風景

東京幻風景

 

「素掘りのトンネル」は、別の場所がアートミックスのガイドブックで紹介されていた(月崎ー飯給駅間)が時間がとれなかった。

 

 トンネルを出た先、養老川に沿って遊歩道を歩くと弘文洞(川のトンネルの崩落跡)に出るとのことだが、時間が読めないので次の機会とした。ゆったりとした流れに新緑が映ってきれいだった。

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引き返して、養老渓谷駅へ。車を停めて歩き出す。気持ちのよう踏切では、カエルが警報機のような音量(ちょっとオーバーか)で合唱していた。

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※いちはらアートミックはすでに終了しています。

 

・「もぐらTV」 開発好明 

上記踏み切りを渡って小道を少し上ったところにあった。

畑の地下の放送局。実際に「もぐらの格好で」生放送していた。入り口は別にあり、やはり地下でつながっているとのこと。

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一旦駅にもどって、「あそうばらの谷」まで10分ぐらい歩く。養老川にかかる橋を渡ったところに会場があった。結構高さがあった。

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赤い橋が新緑に映える。手前が会場。奥から歩いてきた。

f:id:massneko:20140511152531j:plain立派な看板。・・・ということは開催期間後も続く?

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・「なっぱすごろく/山覚俵家」 スマイルズ 生活価値拡充研究所

市原の季節のまぜごはんを味わえる食堂。外から厨房も見えて、いかにもおいしそうな雰囲気。

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「食べることの幸せ感」が外まで伝わってくる。恒久施設にならないものか。

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・「おおきな家」 大巻伸嗣

食堂の隣。古民家(築100年以上)をギャラリーに改築。中が暗く「手探り状態」の場所もあるので、人数制限がある。

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暗闇の中で、明かりと影とが交錯していた。煙のはいったシャボン玉がはじけて余韻を残す、という展示は、時間の流れをゆるめているようだった。

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再び外に出ると、日差しが強い。

入り口には「地層」についての説明板もあった。

 古関東深海盆ジオパーク推進協議会による「古関東深海盆と養老渓谷駅付近に見られる地層」

260万年前から現在にいたる「第四期」という「最も新しい」地質年代の地層で、深海に堆積した地層が陸化して地上で見られるのは世界的に珍しいことことだそうだ。(残念ながら、説明板は写真で撮ってあとで読んだので、現地で地層を見なかった)

ここで観察できる地層は、90数万年前に堆積した梅ヶ瀬層で、かつては深さ数百mの海の底だったという。堆積時の海水が隆起で閉じ込められ、化石海水(かん水)が溜まった。メタンやヨウ素を多く含む「かん水」は都市ガスや工業原料に利用され、かん水が真水と混ざってできた「ちゃ水」が、養老温泉の源泉になっているという。

興味深い。

それだけこの地域(関東平野全体を指している)が、急激に隆起しているということになる。「ここの下」で沈み込む太平洋プレートが、上に乗っているブロックを横から圧縮した結果、上に出ちゃっているということか。

仮に100万年で500mの隆起だと100年で5センチの隆起になる。隆起はおそらく徐々にではなく、徐々に沈みこむ反動で一気に上へ跳ね上がるのだろうから、地震は定期的に起こるということだろう。

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 養老渓谷駅への道すがら、花ショウブ(だと思います)が民家の前できれいに咲いていた。

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・「なっぱのぐるぐるやぐら」 フジワラテッペイ アーキテクツラボ

養老渓谷駅前には、平面が三角形の、上にのぼれるやぐらが組まれていた。ちょうど五井行きの出発時刻だった。

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このあと、最後に残った会場、いちはら市民の森へ向かった。

・「サンタルの食堂」 岩田草平×プロマイノリティ

竹とわらと土でできた食堂で、サンタル族(インド先住民)の料理を食べた。

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カレーライスは美味だった。

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地面が少し掘り下げられた床面にはウッドチップが敷かれ、4本の垂直の支柱に4本の梁を巡らせている。そこに幾本もの竹がたてかけられ、わらが屋根と壁になっている。

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日差しが強く外は暑かったが、内部はひんやり気持ちが良かった。

縄文から弥生、古墳から奈良・平安・鎌倉くらいまで、日本でも大部分の人はこのような家でくらしていたのではないか。それはそれで快適だったのでは(不快であれば工夫をするはず)と思った。

 

市民の森入り口には、鯉のぼりの列があった。

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これでパスのすべてに「改札鋏」がはいり、子供も満足。 

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帰り道に、前日に行けなかった吉野古墳群に立ち寄った。

つづく。