墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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保内三王山古墳群・後編 新潟県三条市上保内

前回のつづきの保内三王山古墳群。

4号墳を過ぎて、山頂の11号墳を目指します。

 

尾根道のルート上で次に現れたのは9号墳。


径10mに満たない円墳です。

9号墳(円墳)
・大きさ:直径 東西8.4m・南北8.5m(墳頂の平坦部分 長軸3.7m・短軸3.0m)、高さ東側0.8m・北側1.3m・西側1.1m・南側0.7m
植林などで多少の変形が見られますが、楕円形のような形をしている古墳時代後期の円墳です。山側に墳端と思われるかすかな窪みが見られます。

 

その先には高さが目立つ10号墳。

 

一辺10mほどの方墳。

10号墳(方墳)
・大きさ:全長10.3m(墳頂の平坦部分 長軸4.5m・短軸4.0m) 高さ北東側1.4m・北西側2.0m・南西側1.6m・南東側0.3m
山頂から北西に走る尾根を整形して造られた古墳時代後期の隅丸方形の方墳です。山側の南東辺外側には尾根を丘尾切断の溝の跡と思われる窪みがあり、墳頂平坦部分は北西方向に長い楕円形をしているように見えます。

 

その先が標高101mの頂で、11号墳がありました。

 

全長23mの、造り出しを持つ円墳です。

11号墳(造出付円墳)
・大きさ:全長23.0m、円丘部直径21.6m、造出部長さ3.3m・幅5.6m
保内山王山古墳群最高所の標高約101mの山頂に位置しています。造営時期は古墳時代前期で、保内三王山古墳群の中で最も早く築造された4号墳(前方後方墳)の後、1号墳(前方後円墳)よりも早く築造された造出付円墳と考えられています。北東側に突出した造出部を持ち、墳丘北半の中段にはテラス状の緩傾斜部が巡り、北西の平野側にある当時の村々を意識した二段築成となっています。周堀は円丘部の南側から東側を巡り、造出部の東側縁では幅0.8m程の浅い溝になり南側で完全に途切れ、土橋状の遺構が現われます。埋葬施設は木棺直葬で、円丘部の中央にあります。発掘調査で木棺の規模や型式が明らかとなり、棺は長さ3m、幅0.75mの組合せ式木棺で1号墳と同様に東枕で埋葬されたと考えられます。棺内からは四獣鏡、鉄剣、鉄斧、管玉、ガラス玉など多数の副葬品が出土し、新潟県指定有形文化財に指定されています。
※新潟県指定有形文化財保内山王山古墳群出土品は三条市歴史民俗産業資料館で展示しています。

 

樹木が開けた部分から、雄大な越後平野の眺めが。

景色に見とれて12号墳は見逃しました。

帰路の下り道。この左側にあるはずの、8・7・5号墳もスルーしてしまいました。

 

下山は途中まで同じルート。手前が4号墳、奥に1号墳。

 

1号墳(全長37.5mの前方後円墳)を後円部裾から。奥が前方部。


陽が射しているところが前方部。こちらが西側で、平野側からの見栄えがよいように2段築成になっているとのころですが、今は樹木が隠しているような状態。

 

1号墳の後円部あたりからは別の尾根を降ります。

ルート脇に2つの説明板。

15号墳(円墳)
・大きさ:直径 南北10.0m・東西12.0m、高さ山側0.7m・谷側2.5m
舌状の尾根の先端部に位置しており、楕円形の形をした古墳時代後期の円墳です。墳頂部東側は崖状にえぐられていていて、その土が墳麓に堆積しているため、東西の長さが実際よりも長くなっています。山側の墳麓には丘尾切断の溝が幅約2.0mの浅い窪みになって残っています。

 

6号墳(円墳)
・大きさ:直径9.0m 高さ南東側0.6m・北西側0.9m
古墳時代後期の古墳で、現在は尾根の両側が植林で削られ方形ですが、墳丘南東側の形状から円墳であると考えられます。

13号墳(円墳)
・大きさ:直径 東西5.3m・南北5.0m、高さ西側1.4m
墳丘西側を広く取り、東側は山寄せのため高低差がほとんどありません。全体に墳端が不明瞭で、特に南側は緩斜面からゆるやかに立ち上がっているためわかりにくくなっていますが、古墳時代後期の円墳です。

14号墳(方墳)
・大きさ:長軸9.7m・短軸8.7m(墳頂の平坦部分 長軸6.0m。短軸5.0m)、高さ西側1.0m・東側0.1m
北西コーナーと北側墳端部は植林のため削られていて、墳頂には樹木が生い茂っていますが、古墳時代後期の長方形の方墳と考えられています。

 

こちらが15号墳(または6号墳)

 

竹藪の中に13号墳(または14号墳)

帰りの電車の時間が近づいていたので深追いはせず。

 

ルートの右側に16号墳の解説がありましたが、墳丘はわかりませんでした。

16号墳(方墳)
・大きさ:長さ11.0m、幅13.5m(墳頂の平坦部分 長さ7.0m、幅6.0m)、高さ2.8m
幅の狭い尾根の先端部に階段状に突出している墳頂部が舌状の平坦部となっている古墳時代後期の方墳です。山側には溝などの境界はなく、斜面に直接取り付く形になっていて、山寄せの墳丘部分と尾根の自然面との境界部分がどこなのかはよく分かりません。尾根の先端部側の墳麓は整地面と思われる舌状の平坦部となっています。

 

道路に出て振り返った見学路入口。

 

燕三条駅で車を返し、新幹線の席に身を沈めて。

発車してすぐ、信濃川越えの東側車窓。奥は守門岳でしょうか。

 

地元の銘菓・地元産ビールで。

 

古墳に浴した一日でしたが、黄金色直前の平野に癒されました。