前回のつづき。
神奈川県立近代美術館葉山の敷地と通りを隔てた北側の斜面に、日本画家・山口蓬春(ほうしゅん:1893~1971)の記念館があったので行ってみた。
細道を上がるとすぐに、大きなガラス板が嵌めこまれた門が。
この時は「山口蓬春とやまと絵」展が開催されていた。
梅の木の背に屋根が見える。
蓬春が1948年から生涯過ごした、画室を備えた自邸で、1991年から記念館として改築・公開され、作品展示が行われている。
御影石の階段を上がる。
入館料は一般600円。受付のある玄関で履物を脱いで、家に上がるようにして見学する。作品展示のある3つの部屋は撮影禁止だった。
公式サイトに詳細な「建物の案内」があるが、改築前の平面図も見られる。
http://www.hoshun.jp/about/architecture.html
入って左手の一番奥に、南側全面が窓の画室があった。
広縁には光が溢れていた。
公式サイトによれば、この家はその構造から昭和初期に建てられたと考えられ、戦時中には社員寮だったともいわれるが、昭和23年に売りに出されていたものを、蓬春がドイツ製カメラ「ライカ」一式を売却して購入したのだそう。
その後に画室をはじめとする増改築を行ったのが、東京美術学校(現・東京藝術大学)で同窓であった建築家・吉田五十八(1894~1974)とのこと。
吉田五十八は「和風の意匠である数寄屋建築を独自に近代化した建築家(Wikipediaより)」で、住宅のほか、劇場、美術館、寺院などの大規模建造物を多く手がけた。
旧吉田茂邸
http://massneko.hatenablog.com/entry/2017/11/17/000000
外務省外交資料館
http://massneko.hatenablog.com/entry/2016/10/09/103000
五島美術館
http://massneko.hatenablog.com/entry/2016/07/30/000000
カラフルな絵の具が置かれた机。
北側にも窓があって、山の斜面との間に庭があった。
画室の前には、水屋のような雰囲気の「筆洗場」
廊下の布幕に見とれてしまった。
こちらは母屋の2階の廊下。
角を曲って振り返ると、海が見えた。
三角で自在な形が組めるテーブル。
テーブルを前に座っても海が見えた。
庭の緑も楽しめる。
複雑な屋根の形も。記念館として改築を手がけたのは、建築家・大江匡(おおえ・ただす:1954~)氏。
1階に戻って桔梗の間。
こちらも広縁のある茶の間。
内玄関から下駄を履いて別館へいける。
別館には画家紹介のビデオ鑑賞部屋や給茶機のある休憩コーナー(2階)がある。
建物前は芝生の庭。夢のマイホームのような雰囲気。
帰り際、建物前の庭もひと巡り。
画室を正面から。
結構な高床。
画室を横から。
北側の庭へも近寄れるようになっていた。
ちょっと庭を見るつもりが奥もあって、予定のバスを逃してしまった。