よく晴れた土曜日、目白台から小日向界隈を歩いてみた。
地下鉄有楽町線の江戸川橋駅で降りて、神田川に沿って上流方向へ。
一本だけ植わっていた河津桜は満開だった。
途中にかかる橋から。満開になった見事であろう桜並木。
「21本」だが一本一本が大きい。
その先、椿山荘の入口、関口芭蕉庵、胸突坂を過ぎるとイチョウが見事な水神社がある。
前回来たときは真夏だった。
関口芭蕉庵 水神社 胸突坂 永青文庫(門前のみ) 東京都文京区関口・目白台 - 墳丘からの眺め
その先につづく綺麗な塀の内側、新江戸川公園が今日の最初の訪問地。
公園入口には大きな門柱。
ちなみに通りの向かいは新宿区になる。
中には目白台の崖線地形を活かした池泉回遊式庭園が造られている。
公園周辺は江戸中期以降は旗本の邸地で、清水家や一橋家の下屋敷を経て、幕末に肥後藩54万石の細川侯の下屋敷となり、明治15年には細川家本邸となった。昭和25年から西武鉄道の所有となったが昭和34年に東京都が買収、昭和36年に「新江戸川公園」として開園し、昭和50年に文京区に移管されている。
公園について | 新江戸川公園には満開の湖畔の桜の写真がある。
今は雪吊りの松も見られる。
はいってすぐに「松聲閣(しょうせいかく)」が建つ。
先月改修を終えたばかりの歴史的建物。
おととしの10月末に来たときは工事の最中。
旧細川侯爵邸(和敬塾本館)東京都指定有形文化財 @文京区目白台 - 墳丘からの眺め
車寄せ部分の重厚な屋根。
車寄せ内側から天井部分。
もともと丘の上を含むエリア一帯が細川家下屋敷だったが、その別邸が置かれた場所に明治20年頃に細川家の勉強所として松聲閣が置かれたようだ。その後に増改築が加わっている。
玄関にあった説明パネル。
松聲閣は幾度もの使用勝手の変更から、増改築が繰り返されていました。特徴的な車寄せも、建設当初のものではなく、後から玄関に取り付けられたと考えられています。
平成26年度から開始した工事では、過去の写真や図面を参考に整備を行いました。過去の図面を見ると、「椿」「菊」「朝顔」と、その横の階段は戦前の状況を留めており、価値が高いと思われたため、原型を重視した整備を行いました。また、可能な限り既存の木材を使用するため、伝統的な揚屋工法を用いました。さらに、過去の写真から下見板張りを用いていたことがわかったため、1階の外壁に取り入れました。ほかにも、「花菖蒲」「芍薬」の灯りは、既存のランプシェードを磨いて再利用しました。現在は作られていない「ゆがんだガラス」も既存品です。どこに使用されているか、ぜひ探してみてください。
庭園側からみた松聲閣。梅の大木があった。
左の部屋では御抹茶とお菓子をいただける(500円)
耐震性や機能性を高めた集会施設に生まれ変わっている。
芝生は養生中。
内部見学は無料。スリッパに履き替える。
縁側から見た紅梅・白梅。
集会室は洋間と和室があり、非常にリーズナブルな利用料で借りられる。
下記には研修の様子も紹介されていた。
ホテルのように整備された室内。エレベータも備わっている。
が、奥の階段はオリジナル度が高い。
折り返しながら上がっていく階段。
2階の縁側。
お座敷からの眺め。
見事な欄間。
床の間の掛け軸は元総理から贈られたものだった。本人筆か?
建物を巡った後は園内路で崖上の永青文庫を目指した。
斜面の白梅もほぼ満開。
ほのかな匂いが漂っていた。
その位置から振り返って見た松聲閣。
つづく。