墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

旧細川侯爵邸(和敬塾本館) 幽霊坂 @文京区目白台

東京文化財ウィークのパンフレットを見て申し込んだ「特別公開」物件。

一般公開は年に一度、この機会だけ。

f:id:massneko:20141014072053j:plain

上記のパンフレットでは、旧細川侯爵邸は下記のように説明されている。

「都内における戦前最後の洋風豪邸で、当時の上流社会の生活がうかがえます。チューダー・ゴシック様式ですが、純和風の座敷など随所に和洋折衷の表現が見られます」

 

見学ツアーは朝から4回行われ、15時からの最終回に参加できた(一人1080円)

ツアーは約1時間。

はじめに庭から全容を眺めた後、玄関でスリッパに履き替え、解説を聞きながら、いくつもの部屋を回る。ほとんどの部屋は電灯や壁紙まで当初のもの(または当初の形に修復)なので、戦前の貴族の邸宅の雰囲気を充分に味わえた。柱や天井板には貴重な材が使われていて、見学グループからは何度もため息が洩れていた。

写真はどこでもOKとのことで沢山撮影したが、残念ながらインターネットへの掲載は不可とのこと。

 

いただいた絵葉書の写真。

f:id:massneko:20141027172459j:plain

解説部分は下記のとおり

「旧細川侯爵邸は、関東大震災後の昭和7年(1932)、建物の設計を大森茂建築事務所に、施工を大林組に依頼し、昭和11年(1936)12月に竣工しました。鉄筋コンクリート造、地下1階・地上3階建、銅版段葺屋根及び陸屋根で、延床面積は焼く1863.59㎡。正面西寄りに玄関ポーチを張り出し、南側には庭園に面して広いテラスを設けています。建物内部は、機能上二つの空間に区分され、1階はほとんどが接客部分に充てられ、2階及び3階は日常生活部分となっています。

建築様式はチューダー・ゴシック様式を基調としていますが、純和風の座敷をはじめ、卍崩しのデザインなど社寺建築の意匠も散見され、随所に和洋折衷の表現がなされています。また、邸内の敷地は当時よりは狭くなっていますが、旧態を良く留めています。保存状態も良く、かつての恵まれた環境に立地する昭和初期の本格的な邸宅建築として貴重な遺構です」

 

細川護立(元首相細川護煕の祖父)が細川侯爵家の本邸として建て、かつては新江戸川公園、永青文庫までを敷地に含んでいた。

東隣の椿山荘は山県有朋邸、西隣の目白台運動公園はかつての田中角栄邸・目白御殿の一部(以前は細川邸敷地?・・・)で、神田川に向かって傾斜する南斜面を含む高台の、最高の一等地。

 

都の有形文化財指定は門から本館までの小道も含んでいる。都内の著名な洋館では土地が切り売りされて玄関前まで一般道になってしまうケースもあるので、アプローチも含めて残っていることの貴重さが認められた、とのこと。

f:id:massneko:20141026162651j:plain

 

外観は下記の結構式の案内でも見られる。結婚を予定されている方は普段でも見学できそう。

旧細川侯爵邸で結婚式が叶う(和敬塾本館)

 

3階には外の塔から渡るが、ちょうどそこで真上に飛行船が来た。

f:id:massneko:20141026161430j:plain

なお「和敬塾」は前川製作所の創業者である前川喜作によって創設された私設寮だった。


 

帰りに通った幽霊坂、下りきったあたり。

左側は和敬塾(or新江戸川公園、いずれにしろ旧細川家敷地)

f:id:massneko:20141026163316j:plain

 

下から見上げた幽霊坂。

f:id:massneko:20141026163331j:plain

 

新江戸川公園の「松聾閣」は大規模な工事中だった。2015/9/15完了予定。

かつては細川家の居宅だった。

f:id:massneko:20141026163619j:plain

文京区の調査報告書には「松聲閣は庭園の自然と美しい調和を見せ、伝統的な和風建築のあり方を今に伝える貴重な建物」とある。

http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0068/9431/chousahoukokusho.pdf

 

庭園も深山のよう。奥で永青文庫と繋がっているが、行った時間(4:30過ぎ)では連絡門は閉まった後だった。

f:id:massneko:20141026163653j:plain

神田川沿いにあった水神社。次の機会でお参りします。

f:id:massneko:20141026165508j:plain

水神社の隣の胸突坂。ここも写真だけ。

f:id:massneko:20141026165532j:plain

帰りの時間を子どもと約束していたので、この日はこれにて終了。

 

なお東京文化財ウィークの実施内容については、pdfでも全て見られます。

この週末連休(11/1~3)で予約なしで行ける場所も多く、千代田区から八丈町まで、区市町ごとに分類されているので、東京在住の方は地元での発見もあるのでは。