墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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塚廻り古墳群第4号古墳 群馬県太田市龍舞町

前回のつづき。

30分以上歩いてきて国道122号を渡ると、急にあたりが開けた。 

 

県道38号(足利千代田線)に古墳まであと800mの案内が。

 

その方向は見渡す平原で、古墳がある雰囲気ではなかった(が、中央やや左に説明板が写っている)

 

見事な麦畑。

 

古墳は廻りを畑に囲まれた一画にあった。

 

群馬県指定史跡。

 

埴輪を復元した墳丘が。

 

前方部側から。

 

その解説板。全長22.5mの帆立貝式古墳。

群馬県指定史跡
塚廻り古墳群第4号古墳
指定年月日:昭和52年9月20日
所在地:太田市龍舞町3089-2ほか
昭和51年度に行われた太田市東部地区ほ場整備(土地改良)事業の際、偶然水田下から発見された7基の古墳のひとつである。
円丘部に台形の造り出し部を付け加えた形で、帆立貝式古墳と呼ばれる形式である。墳丘の全長は22.5m、円丘部の直径17.7m、造り出し部は幅8.7m、長さ4.8mである。
周囲に幅4.5mの堀を持つ。
主体部は、円丘部中央と北側裾部の二か所で発見されており、校舎は埴輪列を壊して造られている。
墳丘部から円筒、朝顔形円筒、家形、器財、人物、馬の計304点の埴輪が出土している。これらの埴輪は、その優れた造形を、埴輪祭式の様子をリアルに再現することが可能なことから、昭和60年に一括して国の重要文化財にしてされた。
築造時期は、6世紀前半と推定される。
平成27年3月25日 太田市教育委員会

 

13号墳まである古墳群全体図。4号墳と、3号墳の一部(現地ではよくわからなかった)が保存されている。

 

埴輪の現物は国の重要文化財に一括指定されている。

国指定重要文化財「上野塚廻り古墳群出土埴輪」(模造)
この塚廻り古墳群第4号古墳に並べられている模造埴輪類は、発掘調査によって明らかにされた埴輪類を忠実に復元製作し、出土状態からその配置を復元したものである。
墳丘部には、円筒埴輪、盾形埴輪、家形埴輪、大刀などが配置されていた。
造り出し部には、円筒埴輪のほか、人物埴輪や馬形埴輪が配置されていた。西端には4体の女子像が配置され、その東部には椅子に座った男子、跪く男子などの7体の男子像が配置され、その北部には飾り馬と馬子が配置されていた。
このような埴輪の配列から、椅子に座った男子を中心人物として、首長権が継承される儀式を再現したのではないかと推察できる。
各々の埴輪のつくりは表現も豊かで、造形的にも非常に優れており、この4号古墳出土の埴輪類を含め「上野塚廻り古墳群出土埴輪 一括」として、昭和60年6月に国の重要文化財に指定された。現在埴輪の現物は群馬県立歴史博物館に保管されえいる。
平成27年3月25日 太田市教育委員会

 

埴輪配列図のアップ。

 

前方部(造り出し)手前から見たところ。 

 

前出の解説に「中心人物」とあった椅子に座る男(帽子をかぶっているので3号墳からのものか?)

首長権が継承される儀式の再現と推察できるそうだ。

 

最前列には祭りをとり行っている巫女が4体。中央奥には跪く男もいる。

 

後ろの方には馬形埴輪や馬をひく馬子の姿も。

 

円筒埴輪で囲まれた後円部には大刀の埴輪。

 

基台に載る大刀。

 

後円部上には家形埴輪や盾形埴輪も。

 

後円部の先は水路で少し切れている。

 

後円部から見た前方部(造り出し)

 

埴輪の後ろ姿。

 

検索すると太田市教育委員会が作成した図録がpdf見ることができた。きれいな写真で埴輪が見られるが、復元のものは「そっくり」に造られてはいないように思えた。

https://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-009kyoiku-bunka/kankoubutu/files/tukamawari.pdf

 

6年前の夏に群馬県立歴史博物館で実物を見たはずだが記憶が途切れているので、近々再訪したい。


 墳丘から北方向。右の茂みが3号墳の一部跡か。

 

北にも広がる麦畑。

 

そこからは徒歩26分の竜舞駅を目指した。途中まで先を歩かれていたご夫婦は北へ曲がったが、この先にかつて1、2、6号墳があったはず。

平野に造られたという立地が強く印象に残った。 

 

途中にあった龍舞賀茂神社。

 

熱心に参拝する方がおられたので遠くから一礼。

 

境内には富士塚も(元古墳?)

 

当神社では4月の第二土日に県指定無形文化財となっている春の大祭・萬燈祭が行われるそうだ。

https://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0170-009kyoiku-bunka/bunmazai/otabunka37.html

 

そこから12分で竜舞駅。太田駅のひとつ手前の無人駅。

 

跨線橋から南東側。

 

これから向かう北東側には東日本第一位の規模を誇る太田天神山古墳がある。

 

全長210m・高さ12m、5世紀中頃に築かれた前方後円墳で車窓からよく見える。 

 

手前が前方部、奥に後円部で土の部分は周濠。 

 

思わず何枚も撮ってしまった。

 

訪ねたのは5年前、スマホで撮っていた時期だったので今回再訪するか迷ったが時間の都合で次の機会とした。