墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

善一田古墳群・その2 福岡県大野城市乙金東

18号墳を見た後は、古墳群中で最上部に立地する19号墳へ。

 

迫力ある墳丘。

 

群中で最初に築かれています。

地域のランドマーク・18号墳
築造時期:6世紀後半(善一田古墳群で最初の古墳)
かたち:円墳(二段築成)
大きさ:東西26m、南北22m(6世紀後半の福岡平野で最大級の円墳)
古墳内部:横穴式石室(玄室の高さ3.5m)
副葬品:刀、弓矢、靫、胡籙(ころく:矢を入れる容器)、馬具、鉄鉗(かなはし:鉄器づくりの道具)、装身具

地域のリーダーの古墳
墳丘・石室の大きさや豊富な副葬品から、この地域一帯を治めたリーダーの古墳と考えられます。副葬品は武器類が多いため武人的な性格がイメージでき、鉄鉗(かなはし:鉄器づくりの道具)の存在から職人たちの親方のような性格もうかがえます。

石室入口の左側で複数の土器が出土しました。食器類、特に液体にかかわるものが多く、古墳の前で飲食を伴う儀式があったと考えられます。

 

施錠されている扉の隙間から。

 

大きな奥壁の下部が写りました。

 

大野城市のサイトにも詳しい解説が。副葬品の写真もみられます。

善一田古墳群(ぜんいちだこふんぐん)・善一田古墳公園|大野城市

 

整備中には現地説明会が開かれており、入室された方のブログでは室内写真も見られます。

古跡探訪録 : 善一田古墳群現地説明会

 

室内公開される機会があれば再訪したいです。

 

開口部を背にして、南西方向の福岡平野。

 

18号墳のさらに斜面上側に”展望の丘”が設けられています。目の前は18号墳の背中。

 

そこにあった解説。

古墳時代の人々も見た風景
福岡平野の街並みや脊振山地を一望することができます。また平野の広い範囲からもここに古墳があることを見ることができます。眺めが良いことや平野からよく見えることも、ここに古墳をつくった大きな要因と考えられます。
ここからは一年を通じて脊振山地に沈む夕日をみることができます。

 

脊振山(1055m)は左側、空から光が降りている向こうの雲の中。

 

その右の油山(597m)はよく見えました。

 

このような「古墳時代の人々も見た風景」を味わうために各地の墳丘を巡っています。

 

2024年2月下旬訪問