墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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作山古墳群1・5号墳  京都府与謝郡与謝野町明石

今回から再び、2022年3月11日の北近畿古墳旅となります(下記の続き)

与謝野町立古墳公園 はにわ資料館 京都府与謝郡与謝野町明石 - 墳丘からの眺め

蛭子山古墳と同じ公園内にある作山古墳群から。

 

はにわ資料館の背後の丘上。

説明板のすぐ後ろが5号墳(方墳)で、その上に1号墳(円墳)造り出しの角が見えています。

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写真が豊富な説明板。

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国指定史跡 作山(つくりやま)古墳群 
■指定名称等 史跡 作山古墳 昭和5年(1930)7月8日指定
■経過と現状
作山1号墳では、昭和4年(1929)11月に1号墳の石棺が発掘調査され、60年後の平成元年に整備のための事前発掘調査を行い、全体像が明らかになりました。この作山古墳群は5基の小中規模古墳と1・2号墳に関係する26基の木棺墓や埴輪棺墓などの古墳周辺埋葬より構成されています。
■築造時期
古墳が造られた時期は、古墳時代前期後半から中期初め(今から1600年前頃)にかけてで、西側から5号墳→1号墳→2号墳→3号墳→4号墳の順に築造されていました。
■蛭子山1号墳との関係
隣接する蛭子山1号墳とは墳丘規模がかなり違いますが、使われている埴輪や石棺の材質など共通する点が多く、作山1号墳と蛭子山1号墳は近い時期に近い関係の者たちに造られたと考えられます。
■古墳の復元整備
作山古墳群の整備は、調査の結果をもとにそれぞれの古墳の上に、約1600年前の築造当時の姿を再現しました。
与謝野町教育委員会

 

 

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墳丘測量図部分のアップ。

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5号墳の墳頂から、1号墳を。右手前は1号墳の造り出しです。

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墳丘そばの説明板。

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作山1号墳
作山1号墳は古墳時代前期、4世紀後半頃につくられた全長36m、高さ4mの造出付円墳です。古墳は2段につくられ、表面には川原石の葺石をおき、埴輪も頂上部や段の上にならべられていました。頂上部の中央には副室付の組合式石棺があり、棺内より熟年男性の遺骸が発見されました。
また、古墳の周囲には木棺や埴輪を棺に使った埋葬が15基確認されています。

 

1号墳の周辺埋葬についての説明。

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作山1号墳周辺埋葬
作山1号墳の周囲には木棺墓6基、埴輪を棺に使用した埴輪棺墓6基、壺形土器を棺に使用した土器棺墓1基、棺を持たない土壙墓2基の合計15基の周辺埋葬がありました。
この周辺埋葬はいずれも作山1号墳を囲んで造られていることから、両者の間には密接な関係があると考えられます。また、埴輪棺に使われている埴輪も作山1号墳と同じ埴輪を使用しています。

 

造り出しの端から1号墳を。円墳というより帆立貝形前方後円墳という印象です。

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丹後型円筒埴輪で荘厳されています。

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墳頂から振り返って。

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右に、はみでているのが5号墳で、その上に左の1号墳造り出しが載っています。

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5号墳の解説。

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作山5号墳
5号墳は一部がい号墳の造出とかさなっていますが、一辺13m、高さ2mの四角い形をした方墳です。葺石や埴輪は無く、中央には全長6.4m、幅0.8mの木棺を地面に直接埋めていました。樋口の中には銅鏡1面、碧色の腕輪(石釧)3個、首飾りの玉類が124個、小型の鉄製品などがありました。1号墳との位置関係より、作山古墳の5基の中で最初に造られた古墳です。

 

1号墳の墳頂には石室見学施設がありました。

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中には、”副室”付きの箱式石棺が。

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作山1号墳組合式石棺
この石棺は地元産の硬いカコウ岩を丁寧に板状に加工し、組み合わせてつくっています。棺の全長は2.66mで、内部は2つの室にわかれ、大きい方の主室には頭を南に向けた熟年男性の遺骸が安置されていました。遺骸の頭部付近には銅鏡1面、碧色の腕輪(石釧)2個、首飾りの玉類が550個ありました。また、小さい方の副室には鉄剣12、鉄斧2、鉄小刀4、鉄鎌1などの鉄製品が納められていました。

 

蓋石も置かれています。

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丸っこい頂部の埴輪が可愛らしかったです。