前回の大塚原古墳見学後は7㎞北、葉脈状に谷戸が入り組む台地縁にある鏑木古墳群を巡った。
最初に目指したのは全長80mという大きさの前方後円墳・御前鬼塚(ごぜんきづか)古墳。
旧椿海(つばきのうみ)から少し入った谷戸のそば、標高45m程度の台地上に立地。
北には栗山川へと伸びる小さな谷が入りこみ、辿ると香取海を抜けて東北方面へ向かう、古代の交通の要衝にある。
マップのピンそばに立派な石碑があったが「獣魂碑」だった。
その左手の、この草むらの向こうに墳丘があるはずだが…
道路沿いに進むが、入り口はおろか中を見通せるポイントもない。
背後は大規模な養豚場。
グーグルアースで。養豚場の建物に囲まれるように墳丘が残る。上が前方部で下(南)に後円部。
こちらの旭市のサイトには、前方部側の上空から撮った写真が掲載されている。
後円部先端側の緩い坂を下りて振り返って。右の草むらの先が墳丘。
そちら側に説明板が立っていた。
県指定記念物史跡
御前鬼塚古墳
昭和50年3月28日指定
御前鬼塚古墳は旧椿海を望む台地上に立地し、鏑木に多数築かれた古墳の中の代表的な古墳である。大きさは全長105m、前方部幅35m、後円部径40m、後円部の高さ10mを測る。東総地域では最大、県内でも屈指の古墳である。発掘調査は実施されていないため、埋葬施設や周溝の状況は不明であるが、かつて撮影された航空写真によると、周溝は長方形に巡っている。古墳の規格や墳丘および周辺で埴輪がみつからないことから、埴輪を墳丘に巡らすことをやめてしまった後の、古墳時代終末期の様相を呈している。
平成22年12月
千葉県教育委員会 旭市教育委員会
千葉県のサイトによれば、御前鬼塚古墳の現状は全長80m・後円部径40m・前方部幅35mだが、墳丘裾部の削られた部分を補って復元すると、本来は全長82m・後円部径44m・前方部幅44mほどの規模だったと考えられ、さらにはかつて撮影された航空写真に長方形の周溝が認められるそう。
国史跡の殿塚古墳(全長88m、長方形の周溝あり)に引けを取らない名墳では。
同サイトにによれば”墳丘の遺存状況が全体的に良好”とのことなので、いつか墳丘の姿が見られるようになればと期待します。
この道路のカーブが後円部の裾周りなのでしょうか。
東側から望んだ御前鬼塚古墳の森。右が前方部、左が後円部。
御前鬼塚古墳のすぐ南東側、養豚場の敷地内に長熊古墳の標柱が立っていました。
出入り口の近くで作業されている方がおられて許可が得られたので墳丘へ。
墳丘上の小祠に参拝。
古墳マップさんによれば、長熊古墳は径7.3m・高さ3mの円墳とのこと。