墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

弘前市立博物館 青森県弘前市下白銀町

弘前公園内の南西側(三の丸)には、日本近代建築の巨匠・前川國男が設計した施設が2つ、隣り合って存在します。

 

そのひとつが弘前市立博物館で昭和51年(1976)の竣工。

f:id:massneko:20210429190943p:plain 

建物全体を収めよう南東側から撮りました。木々の背後が主役です。

f:id:massneko:20210502132727p:plain


室内はエントランスホールのみ撮影可でした。

f:id:massneko:20210429192611p:plain

 

ホール天井には大きなトップライトが。外光も入っています。

f:id:massneko:20210429192642p:plain

ちなみに壁面は「コンクリート斫り(はつり)仕上げ」といって、コンクリート表面をハンマーなどで叩いてわざと削り、その表情に変化をもたせる工法だそうです(博物館でいただいたパンフ「前川建築の魅力」より)

 

吹き抜け天井まで高さのある大きな窓。

f:id:massneko:20210429194330p:plain

 

一方の窓の向こう(北側)には、弘前城二の丸の未申櫓が。

f:id:massneko:20210429192810p:plain


西側の先には岩木山を望めます。

f:id:massneko:20210429192751p:plain

 

建物内でソファでくつろぎながら自然を感じられる気持ちの良い空間でした。

f:id:massneko:20210429194419p:plain


その一画には建物全体の模型も。すぐ西側にある県立弘前工業高等学校の生徒さんが製作したもののようです。

f:id:massneko:20210429194356p:plain

壁の煉瓦は、タイルを型枠に先付けし、鉄筋を組んでコンクリートに流し込む「打ち込みタイル」の工法が用いられています(先ほどのパンフより)

 

ル・コルビュジエに建築を学んだ前川國男(1905~1986)は、東京では東京文化会館や世田谷区民会館・区役所、紀伊国屋ビル、東京海上ビル、東京都美術館などが著名だが、日本各地に数多くの建物を残しています。

弘前に残る前川建築は8棟も。

前川國男の母の実家が弘前藩士の田中家であったことと、その兄で外交官の佐藤尚武によって旧弘前藩士子孫の木村隆三と前川がパリで出会ったことが、弘前との縁になるそうです。

前川國男の実作第一号は、パリからの帰国後に木村隆三に設計を依頼された「木村産業研究所」。これをきっかけに市庁舎をはじめとする公共建築物などの設計を手掛けたとのこと。

博物館概要-建築としての博物館- - 弘前市

 

今回自分は8棟あるうちの5つを訪ねることができましたので、次回からのエントリで紹介したいと思います。

 

博物館の展示は弘前城や津軽藩などがメインでしたが、はいってすぐのガラスケースにあった縄文時代の「猪形土製品」に惹かれました。

f:id:massneko:20210429194243p:plain

 

全長18㎝、高さ9.7㎝。愛称「いのっち」で、国重要文化財指定。

f:id:massneko:20210429194225p:plain

 

その説明板。

f:id:massneko:20210502131826p:plain


上から。動き出しそうなリアルさでした。

f:id:massneko:20210429194304p:plain