墳丘からの眺め

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「三島埴輪総覧」展 @今城塚古代歴史館・大阪府高槻市

今城塚古代歴史館では、令和2年度秋冬企画展として「三島埴輪総覧」展が開催中でした。(令和3年2月23日まで開催)

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今城塚古墳や太田茶臼山古墳から背後の丘陵は、複数の古墳群に500基以上を擁する古墳エリア。

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はじめに
淀川の北岸に位置する三島は、古墳時代前期の弁天山古墳群や中期の太田茶臼山古墳を核と土室古墳群、後期の大王墓・今城塚古墳など大小500基以上の古墳が築造されました。これらの主要な古墳の多くに埴輪が樹立されているのに加えて、中期から後期にかけて操業する一大埴輪工房である新池遺跡の実態が解明され、三島における埴輪の生産や供給についての具体像が明らかになりつつあります。
ここでは最新の編年をもとに、三島の埴輪を紹介します。

三島における古墳の位置(横軸)は、淀川にそそぐ中小河川を単位とした小地域名として呼び分けています。東から順に、檜尾川(ひおがわ)以東の安満山(あまやま)グループ(以下、Gと表記)、檜尾川~芥川の天神山G、芥川~安威川(あいがわ)の奈佐原・土室G、安威川以西の北部(安威川~勝尾寺川)の福井G、南部は安威川・勝尾寺川・茨木川以西の千里東麓Gとなります。
また位置(縦軸)は全国的な円筒埴輪編年(川西1973)を基軸に、近年の大和、河内地域の資料を中心に再構築した埴輪検討会編年案(5期16段階)を用いて紹介します。おおむねⅠ期・Ⅱ期は古墳時代前期(3世紀中頃~4世紀後半)、Ⅲ期・Ⅳ期は古墳時代中期(4世紀末~5世紀後半)、Ⅴ期は古墳時代後期(5世紀末~6世紀後半)に相当します。

 

会場中央で、間近に観察できた一群。

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今城塚古墳の内堤に立っていた円筒埴輪は、10条11段、高さ132㎝。

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塚原B41号墳からの馬形埴輪。

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新池遺跡(古墳時代中期の埴輪製作遺跡)からの失敗作(?)の埴輪。

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埴輪は密な状態。観客は疎でした。

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前期は、左の岡本山古墳(前方後円墳120m)、将軍山古墳(前方後円墳107m)、紫金山古墳(前方後円墳110m)から。

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100m超の前方後円墳がいくつもあったすごいところです、「三島」は。

 

弁天山古墳群で中期に属する、D2~D4号墳から。写真パネルには眺めのよさそうな墳丘。

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中期では、太田茶臼山古墳からの円筒埴輪も展示。

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直前に訪ねたばかりの太田茶臼山古墳のC号陪塚の円筒埴輪も。C号陪塚は全長28mの前方後円墳であったことを、解説を読んでいて知りました。

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土室古墳群に属する番山古墳や土保山古墳から。

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左は狐塚古墳群の鶏形埴輪。中央やや右は掛塚3号墳の蓋形埴輪。

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総持寺古墳群(中期)から。

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春日古墳群(中期)の3号墳の鶏形埴輪と4号墳の人物埴輪。

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今城塚古墳が築かれた古墳時代後期では、他に新池遺跡(後期)、安威12号墳、塚原古墳群などから。

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時間の関係で足早に2周しただけになりました(すみません)

時代による細部の作り方の変遷など、解説しっかり読みながらと実物をじっくり見ると興味深い事実が沢山学べる企画展だと思いました。

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入場無料。お近くの方はぜひ。

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