墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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日上天王山古墳  岡山県津山市日上

日上天王山(ひかみてんのうやま)古墳は、前回の美作国分寺跡から西に900m程、吉井川と加茂川に三方向を囲まれたエリアの丘上に立地。

マップを埋め込む時点で「国分寺飯塚古墳」のピンが出現。グーグルアースで見ると、美作国分寺跡の看板から250m北に径40mほどの円墳がよく判ります。再訪せよとのことでしょう…

 

日上天王山古墳へ向かいます。南側の県道が幅広くなっているところに停めさせていただきました。

 

そのすぐ先で分岐へ。

 

丘を上がっていくと、小径沿い左手に円墳がぽこぽこと。

 

その先、右手の林に大きな墳丘のシルエット。


説明板がありました。日上天王山古墳は墳長57mの前方後円墳。美作地方で最古ということは古墳時代前期でしょう。

日上畝山古墳群
天王山古墳は平成6年に発掘調査がおこなわれ、美作地方最古の前方後円墳(墳長57m)であることが確認されました。葺石で覆われた墳丘は後円部が3段、前方部は2段に築かれています。前方部はバチ形に開く独特な形で、奈良県の箸墓古墳や岡山市の浦間茶臼山古墳などの最古式前方後円墳とよく似ています。
後円部中央からは長さ4.2m、幅1mの竪穴式石槨が発見されました。このほか、後円部上では竪穴式石槨1基、箱式石棺2基の埋葬施設もみつかっています。中心となる竪穴式石槨は古く盗掘されていて、副葬品のほとんどが持ち去られていましたが、青銅製品の破片や鉄の刀、斧、鏃などが残っていました。
もう一つの竪穴式石槨は盗掘されておらず、青銅製の鏡や鉄剣、たがね、鉄鏃などが埋葬時の状態で出土しました。埴輪は用いられていませんが、東側のくびれ部からお祭りに使われたとみられる二重口縁の壺形土器が発見されています。
畝山古墳群は平成7年から9年にかけて調査され、円墳54基、方墳2基の計56基が確かめられました。このほかにも過去の調査で、墳丘は削りとられているものの、前方後円墳1基と円墳3基が確認されています。このことから、百基近い古墳がこの丘陵上に存在していたものと推定されます。
この古墳群は2基の方墳を除きいずれも直径10m前後の小規模のものからなり、横穴式石室墳は含まれないようです。これら古墳の大多数は5世紀後半から6世紀前半につくられたものと推定されます。
埋葬施設は竪穴式石槨や木の棺を直接埋葬するものが多く、鉄刀や鉄鏃などの武器、鉄斧や鉄鎌、鉇、紡錘車などの工具、石製の玉などの装身具、須恵器、土師器などの土器類を多数副葬するという特徴がみられます。一部の古墳には埴輪が用いられ、ほとんどが円筒形のものですが、巫子の形をした人物埴輪なども発見されています。
平成11年10月 津山市教育委員会

 

さきほどから見えていたものも含めて園路の南側に展開する日上畝山古墳群は5世紀後半からとのことなので、築造時期には百年ほど隔たりがあるようです。

 

日上天王山古墳の墳丘へ。手前が前方部、右奥に後円部。

 

右はくびれ部側面。

 

鞍部から後円部を。

 

後円部墳頂です。

 

樹林が無ければ、平地部や河川の様子がよく見渡せるものと思います。

 

後円部から前方部方向を。

 

くびれのカーブが、とても良いですね。

 

園路の奥の日上畝山古墳群へ向かおうとしたところ、図太い低音を立ててスズメバチが2匹。すぐに退散しました。

 

平家蟹さんは発掘調査時に訪ねられていて、露出した竪穴式石室の貴重な写真も掲載されておられます。

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