大分県立歴史博物館は、国史跡の川部・高森古墳群のある史跡公園「宇佐風土記の丘」内にあった。平成10年から現在の館名となったが、その前身は「県立宇佐風土記の丘歴史民俗博物館」で昭和56年に開館している。
観覧料は一般310円。
縄文期の出土物から「豊の国」の仏教文化、宇佐八幡や六郷山の文化に関して広く展示される。熊野摩崖仏、富貴寺大堂、臼杵摩崖仏などの実物大レプリカもあって見どころ多数。撮影不可だったが天福寺奥院に伝わる塑像(国重文)なども興味深かった。
見学には半日はかけたいところだったが、このあとの予定もあったので、古墳コーナーのみ写真を撮って回るような見方になってしまった。
大きな奥壁の写真は玖珠町の鬼塚古墳。
翌日現地を訪ねたが、中へは入れなかった。(赤い部分は強調)
杵築市の大原古墳(消滅?)の円筒埴輪。
博物館の外の公園内にある鶴見古墳から出土した須恵器など。
豊後高田市の鑑堂古墳(4世紀末~5世紀頃)からの出土品、神人車龍虎画像鏡。車が見事。
こちらも外の公園内にある「免ヶ平(めんがひら)古墳」の、埋葬部(竪穴式石室)レプリカ。
目が開いたらどうしようと思いながら見学。2つの埋葬施設があり、一つは割竹形木棺。それと並んで箱式石棺もあった。
その解説。
こちらが免ヶ平古墳の出土品。
国の重要文化財指定を受けている。
免ヶ平古墳 川部・高森古墳群
免ヶ平古墳は、4世紀前半に造られた全長51mの前方後円墳で、川部・高森古墳群の最も南側に位置します。
埋葬施設は竪穴式石槨と組合式石棺の2つで、昭和47年~63年に3回の発掘調査が行われました。竪穴式石槨からは、日本製のボウ製三角縁神獣鏡や中国製の斜縁神獣鏡をはじめとして、大刀などの鉄製武器や農工具、装身具が見つかっています。石棺からは、女性の人骨とともに、斜縁神獣鏡や石釧などの装身具がみつかりました。
これらの出土品は、古墳時代前期の九州における古墳の副葬品や畿内政権とのつながりを示すものとして、平成26年8月21日に国指定重要文化財に指定されています。
こちらは壺棺。
壺棺
この壺棺は、免ヶ平古墳の南側で見つかりました。
普段の生活で使用していた壺を利用した子供用のお墓です。底の部分はわざと打ち欠いていました。
口の部分には大きな石を5個乗せていました。木などで蓋をした後、上に乗せたものと思われます。この壺棺は4世紀頃に作られました。
装身具や刀類。
こちらも川部・高森古墳群の、赤塚古墳。
赤塚古墳 川部・高森古墳群
赤塚古墳は、3世紀後半に造られた全長57mの前方後円墳で、当館入口の正面に位置します。
埋葬施設は箱式石棺で、大正10年(1921)に発掘調査されました。石棺の中からは5面の三角縁神獣鏡、碧玉製の管玉、刀などが見つかっています。この鏡5面は、国の重要文化財に指定され、京都国立博物館に所蔵されています。
赤塚古墳の周囲には周溝墓や円墳など多くの埋葬施設があります。この墓は、赤塚古墳に葬られた人の一族や配下の人々の墓と考えられます。
出土した5面の三角縁神獣鏡(レプリカ)
その後さっそく外に出て、宇佐風土記の丘の古墳群(川部・高森古墳群)を歩いた。
東側から見た大分県立歴史博物館の建物。