墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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生目古墳群 1号墳 宮崎県宮崎市大字跡江

生目(いきめ)古墳群の最終回。

前回の3号墳見学後、史跡公園から一旦出て、北側から回り込んでいくと別の駐車場があった。道路からの入口はチェーンが架かっていて車は入れなかったが下記の案内板が立っていた。 

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種別 国指定史跡
名称 生目古墳群
指定年月日 昭和18年9月8日
この古墳群は、東西約1.2㎞、南北約1.2㎞、標高25mほどの台地上を中心に営まれ、現在前方後円墳7基、円墳22基の高塚古墳が残り、他に横穴墓や地下式横穴墓が見つかっている。
これらの古墳は、3世紀末か4世紀前半に作られはじめ、7世紀まで築造されたと推定される。
100mを超える古墳時代前期(3世紀後半~4世紀末)の前方後円墳3基(1号墳、3号墳、22号墳)を含み、古墳時代前期では九州最大の首長墓群である。
台地からやや離れた丘陵上にある1号墳は、墳長136mを測る。前方部がバチ形にひらく特徴的な形から、奈良県の箸墓古墳(墳長280m)の2分の1規格で作られた相似墳と言われている。宮崎市教育委員会 

 

歩いて入っていくと駐車場脇に案内図が。

3号墳の北側との連絡路が描かれていたが、自分には見つけられなかった。

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上記の案内図に1号墳へのルートは描かれておらず諦めかけていたら、駐車場の管理看板の右あたりに踏み跡のような場所があったので入ってみた。

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入ってすぐ左に、登り道が。

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すぐに尾根道のようになる。右手の崖下に横穴墓的な穴が見えた。

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ロープで保護された箇所も(右が崖)

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その先が1号墳の後円部墳頂だった。

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後円部から前方部方向を見ると、北側面が崖状になっていた。

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そこから北西方向の眺め。奥の台地の手前に大淀川が左から右へ流れ、台地の後ろから回り込んできた本庄川が台地先端で合流している。

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史跡公園内の立体地図にあった1号墳の説明。 

北にたたずむ1号墳
1号墳は、古墳群の北端の独立した山の上にあり、長さ136mの前方後円墳です。一説には古墳群最古の前方後円墳といわれています。1号墳が造られた山は急峻でなかなか登るのは難しいですが、少し離れた位置から眺めると古墳の形がきれいに確認できます。

 

細い前方部の南側には瓦工場と太陽光発電施設。 

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前方部先端の様子。 

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前方部上にあった石碑。右の碑では享保十八という文字が読めた。

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前方部先端から振り返った後円部。 

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上記の木々の前から、縦位置で。 滑ったら20m下の道路まで転げ落ちる。

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前方部から北方向を。 

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大淀川は、生目古墳群がある台地を半円を描くように回り込んでいた。 

 

1号墳から降りる際、東側の2号墳(円墳)の斜面もチラリと見えた。左は1号墳後円部。右のロープの先は崩れかけた崖のようで危なそうな状態でした。

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「九州の古墳」によれば、1号墳の築造時期は3世紀末から4世紀初頭で、同時期の古墳としては福岡県苅田町の石塚山古墳とともに九州最大規模。墳丘全面が葺石で覆われ、3段目は階段状の段を持つ特徴があるとのこと。

古墳時代前期に三代続けて九州最大の古墳が築造された生目古墳群は、初期ヤマト政権の直接的な影響が南九州に及んでいたことを示しており、1号墳の被葬者は日向国造の祖・豊国別皇子(とよくにわけのみこ:景行天皇の子)にあてる説もあるそうだ。

九州の古墳

九州の古墳

  • 作者:吉村 靖徳
  • 発売日: 2015/12/07
  • メディア: 単行本