小櫃(おびつ)の古墳を巡るツアーの最初の目的地は白山神社古墳。
久留里線や久留里街道が裾を迂回するように東の丘陵が平地に突き出したところに立地する。
説明板の前で解説を聞く。
その解説板。
千葉県指定史跡 白山神社古墳
所在地:君津市俵田1452・白山神社
指定年月日:昭和56年3月13日
この古墳は、小櫃川中流域に臨む舌状の台地上にあり、全長約88m、後円部の高さ約10mの前方後円墳です。
墳丘は、後円部中央にくぼみがありますが、神社の社林として保護され、旧態をよく残しています。
後円部に比べ、前方部が低く、幅も前方に向かってさほど広がらない形態を示していることから、対岸の飯籠塚古墳と相前後して構築された、古墳時代前期の古墳と推定されます。
本古墳の周辺には、陪冢があり、明治31年にそのうちの数基が発掘され、古鏡(獣形鏡)、直刀、鉄鏃等が出土したと伝えられています。
この付近には、古代馬来田国造が置かれたといわれていることから、主墳であるこの古墳はその関係の有力者の墳墓ではないかとみられています。
本古墳は、当地域の古代史を知る上で貴重な遺跡です。
平成7年11月30日 千葉県教育委員会 君津市教育委員会
いただいた資料にあった実測図。
神社の社殿は前方部左裾に沿って、くびれ部に向かって侵食するように建てられている。
一行は参道を横目に、右手の上り口を進んだ。
前方部下端にあった祠。古墳は前方部を小櫃川方向に向けている。
広い周溝を左に回りこんでいく。前方部右裾あたり。
くびれ部と後方部が見えてくる。
横からくびれ部。
その先の後円部。
くびれ部から墳丘上へ。大勢での墳行は賑やかな楽しさがある。
くびれ部から見上げる後円部。
後円部墳頂の窪み。ということはこの下に埋葬施設があり、盗掘されている可能性もあるとのことだが、発掘調査はされておらず予定もないとのこと。
後円部墳頂から見下ろす。
後円部から社殿の屋根を見下ろす。白山神社がある墳丘の西側には周溝がない。
後円部から前方部方向。前方部は先端に向かって上がる傾斜がついている。
後円部上の大きな杉の木。
木々の間からちらりと平地部が望めた。
後円部の裾、周溝上に再び降りる。
後円部を周溝の長軸上から。
その場所には陪冢があった(竹薮奥の地面の盛り上がり)
ここには洞穴が開いていて、丘の下まで通じているとの言い伝えがあるという。
ほかにも陪冢があるが、本体に対して時代が下るものとのことだった。
振り返って。左は後円部裾。
バスへ戻る一行。右手に墳丘がある。
白山神社社殿と墳丘のくびれ部あたり。
社殿から神門を見下ろす。神門の先にも石段があり、白山神社古墳が丘の上に築かれていることが実感できた。水田との比高差は20m。
つづく。