前回の馬塚古墳を見学した後は、岩野川左岸の弁慶ヶ穴古墳へ向かいました。
このあたりには竜王山古墳や毘沙門塚古墳、御霊塚古墳、臼塚古墳など、魅力的な名前の古墳がそこここにあるのですが、時間の関係で弁慶ヶ穴古墳を選びました。
説明板は日本語のほかに英語、ハングルと中国語の簡体字と繁体字。大陸との距離の近さを感じます。
弁慶ヶ穴(べんけいがあな)古墳
6世紀後半に造られた高さ5.7m、直径約15mの円墳で、円墳内部の横穴式石室は巨大な石材を使用して構築し県下最大級のものです。前室側壁などに赤、白、灰色で船と荷と鳥、船に乗せた馬などが描かれ、その特異な図柄は有名で国指定の史跡となっています。
説明板の石室写真。カラフルです。
しかし内部見学はとりやめとなっています(2023年7月時点でも)
説明板の後ろのスロープを上がります。
上は墓地で、最初に墳丘の上側に出てしまいました。そこから南側の眺め。
正面の河岸段丘は菊池川の対岸。右奥の山は国見山(389m)でしょうか。
北西側。1.5㎞ほど先の、岩野川対岸の段丘上にオブサン・チブサン古墳があります。
墳丘の裾側に回ります。なかなか立派な墳丘です。
開口部はコンクリの枠と金属製の扉でガードされています。
標柱の右には気になる石板がありました。
このあとに訪ねた、熊本県立装飾古墳館で、弁慶ヶ穴古墳の石室レプリカを拝見。
袖石や側壁に円文や三角文が描かれています。
舟や馬などの具象
向かって左側の側壁。
ズームで。
ズームで奥壁を。
同館での解説。
弁慶ヶ穴古墳
山鹿市熊入町
氏の東北部、通称熊入台地にある直径15m、高さ5.7mの円墳で、内部は南西に入口をもつ複室の横穴式石室である。
石室には阿蘇凝灰岩の巨石が使用され、前室・玄室とも側壁の基礎部分には大きな板石を立て、その内側に壁画が描かれている。向かって右側の壁には「馬をのせた舟」「船と荷と鳥」、正面右側の袖石には赤と白と灰で描いた幾何学文様、左側袖石の小口部分には「馬を乗せた舟」を中心に、上方には同心円文、下方には靭が2つ並べてある。現在は色が薄れているが、左側壁には太陽と人物と馬を乗せた船団があり、羨道部左壁には人物像の浮彫りがある。石室の壮大さや装飾の鮮やかさにおいて県下屈指のものである。
現物は無理かもしれませんが、レプリカの入室機会をつくっていただけるとありがたいです。