今年の5月末に刊行された本です。
東京の17の坂エリアを舞台とした小説でした。
一話一話が順番に、ひとつのストーリーとしてつながっているところに、作家の手腕を感じました。
主人公は母親と二人暮らしをしている女性で、小学生のときに家を出ていった父が亡くなり、届いた遺言状に記された坂一覧を訪ねていきます。
その父は坂が好きで、一緒に暮らしていたころから何度も、あちこちの坂沿いの家に引っ越しを重ねていた、という筋書き。
1話終わるごとに手書きの坂道周辺マップがあるのですが、これが非常に良く、坂そのものだけでなく気になる建築なども描かれます。(たまに古墳も)
坂道ガイドブックとしてもおすすめの本です。
取り上げられている坂は結構すでに訪ねていたので、それぞれの街並みが思い出され、小説そのものもリアルに感じられました。
未踏の坂も、近々行ってみたいと思います。
狸穴坂 鼠坂 植木坂 麻布郵便局(旧逓信省本庁舎) 東京都港区東麻布・麻布狸穴町・麻布永坂町・麻布台 - 墳丘からの眺め
抜弁天 梯子坂 久左衛門坂 東京都新宿区余丁町・新宿7丁目 - 墳丘からの眺め
関口芭蕉庵 水神社 胸突坂 永青文庫(門前のみ) 東京都文京区関口・目白台 - 墳丘からの眺め
目黒新富士跡・別所坂・別所坂児童公園 東京都目黒区中目黒 - 墳丘からの眺め
御嶽神社 桜坂 東京都大田区北嶺町・田園調布本町 - 墳丘からの眺め