綱町三井倶楽部の門の脇、綱坂からの道の角には大木がある。この一帯の頂上のような場所。昔はランドマークになっていたのでは。
その横断歩道を渡ったところに「綱の手引坂」の標柱があった。坂はそこから東へ一直線に緩く傾斜する。
標柱の解説。
つなのてびきざか
平安時代の勇士 源頼光の四天王の一人、渡辺 綱にまつわる名称である。姥坂(うばざか)とも呼んだが、馬場坂の説もある。
区の情報誌.pdfには「綱の幼少時代、姥が手を引いて上ったり下ったりしたことに由来して、“綱が手引坂”と呼び、“姥坂”とも言ったのでしょう」とあった。
近くの歩道には「三田坂めぐり散歩」の標柱。イタリア大使館敷地内には「大石主税以下切腹跡」がある。
坂の中腹、北側にある都立三田高校。
その背後の区立赤羽小学校への入口がある。
入口をはいって小学校校門前から東方向、三田高校の敷地内に木立がある。背後は三田国際ビル。
中央の色づいた木立ち(グランドの左下)
こちらの「ご~ご~ひでりんさん」のサイト・ 古墳なう によると、これは古くから古墳ではないかと考えられてきた”オセンチ山(猫塚)”
ただし、平成21年(2009)の調査では古墳の痕跡は検出されず、江戸時代の大名屋敷時代に築造された塚の可能性が高いとあった。
下記のサイトの解説によると三田国際ビル、三田高校、赤羽小学校、かんぽ生命東京サービスセンターやその北側一帯は、かつての久留米藩有馬家の上屋敷で、「有馬猫騒動」にて退治した怪猫の怨念を慰めるために「猫塚」が築かれたとのこと。
(ちなみに現在日本橋蛎殻町にある水天宮は、総本宮の久留米からまずこの地に9代藩主・有馬頼徳によって勧請されたのだそう)
久留米藩上屋敷跡(三田散歩3) : 気ままに江戸♪ 散歩・味・読書の記録
三田高校から再び坂をのぼって、綱町三井倶楽部を通り過ぎて西へ向かうとオーストラリア大使館の正門がある。
高い場所にある”ジャングルジム”にカンガルーとダチョウ。
さらに西へ行くとすぐに下り坂になった。ここが日向坂。
ひゅうがざか
江戸時代前期、南側に徳山藩毛利日向守の屋敷があった。袖振坂ともいった。由来は不明である。誤ってひなた坂とも呼んだ。
そのまま西へ下りると二の橋交差点に出る。
坂下を古川が横ぎり「二之橋」が架かる。
麻布通りの向こう側は「麻布」で、日向坂を下りてきた道はその先で仙台坂を上っていく。
西町インターナショナルスクール(旧松方正熊邸) 安藤記念教会会堂 仙台坂 東京都港区元麻布 - 墳丘からの眺め
二の橋交差点角の福泉寺の敷地に気になる建物があった。
こちらのブログで、福泉寺には見事な枯山水庭園があると知った。
麻布側から見た「三田」側、日向坂。
日向坂を上り返す。
上記の位置の左に円徳寺があり、ブラタモリで紹介された一画へ続いていく。
圓徳寺~小山湯 東京都港区三田一丁目界隈 - 墳丘からの眺め
さらに上って、かんぽ生命東京サービスセンター本館(旧逓信省簡易保険局庁舎)
の手前から。龍原寺の屋根の向こうに六本木ヒルズが見えた。
龍原寺の脇には神明坂が北へ降りる。
しんめいざか
天祖神社を元神明というところから神明坂と呼んだ。馬場坂という説もあるが綱の手引坂との混同があるらしい。
坂の東側は、かんぽ生命の敷地。
坂の入口、龍原寺の境内に「志ほあみ地蔵尊」があった。いわれはわからず。
坂を下りていくと元神明宮天祖神社への石段があった。
いくつもの鳥居が並ぶ。左は水天宮への参道。
石段を上がると近代的な社殿があった。新社殿は平成17年築だが、神社の創建は1005年。元神明宮 ┃ 元神明宮 神社史
両脇の階段から拝殿へ登る。
拝殿前から石段を見下ろしたところ。
社殿の南東側には、かんぽ生命東京サービスセンターの大きな建物の角が迫っていた。
拝殿のベランダからは東京タワー。新築ビルの陰にならなくてよかった。
神社の西側の道を下る。神社側は曲線を描く石垣。
境内の大木の根が石垣の上に張り出しているので、かなり古い石垣ではないか。
坂下から神社を振り返ると、現代的なビルだった。
その先、古川との間の平地に大きな建物が出来つつあった。
この年末に完成予定の、”仮称・三田一丁目計画(麻布十番プロジェクト)”
もとは国際医療福祉大学三田病院の敷地の一部が売却されて、住友不動産がオフィスビルを建てている。
1フロア1200坪以上の広々としたオフィススペース。
住友不動産麻布十番プロジェクト|賃貸オフィス・貸事務所・貸店舗・オフィス移転なら住友不動産販売へ(124319-0401)
外観は銀座6丁目プロジェクトのような雰囲気があった。
その建設中のビルから100mほど西へ行くと、三田一丁目界隈になるが、その一画に”東京さぬき倶楽部”があった。
もうすぐ終了だが”ビア庭園”開催中。
門の脇の蔵。
本館はコンクリ壁の近代建築。設計は国立能楽堂や大阪万博日本館、法政大学、乃木神社などを手がけた大江宏 - Wikipedia。竣工は1972年。
宿泊や宴会、食事の施設があり、香川県民でなくても利用できる。
港区麻布十番 | 東京さぬき倶楽部 公式ホームページ : ご挨拶
落ち着いた雰囲気のロビー。
フロントの上の明かり。
駐車場の奥に庭園があり、建物が気になってので近づいてみたらこちらは讃岐料理の店があった。店内の様子 | 讃岐の旬、四季の香 ばんげ 麻布十番
いい雰囲気の木造家屋。夜に訪ねたい。
そこから200mほどで麻布十番駅。首都高一ノ橋ジャンクションの下になる。
ここで古川が直角に曲るので、方角を間違えやすい。
新一の橋交差点の南西角に建つ”ジュールA”。工事中かと思いきや壁面デザインだった。