前回の穴観音古墳の700mほど北にも、国史跡の古墳がありました。
国道210号のすぐ北側に、出来立ての駐車場が(このときはチェーンが降りていて使用できませんでした)
案内施設のような建物も併設。恒常的な見学施設になるのでしょうか。
非常に力が入っていて素晴らしいのですが、現地には施設に関する情報はありませんでした。
覆い屋は、まぶしい白。
石碑の建設日は、2週間前でした。
説明板の写真で、「露出していた石室」の様子がわかりました。
ガランドヤ2号墳
築造年代:6世紀中頃
墳丘の形:円墳(墳丘の一部が失われ石室が露出している)
墳丘規模:直径約23.0m(推定)
石室:複室構造の横穴式石室
(玄室)長さ3.3m、幅2.8m、高さ3.0m
(前室)未調査のため不明
概要:玄室のほぼ全面に赤い顔料を塗ったあと、奥壁に緑の顔料を用いて、馬上で弓を引く人物・同心円文・連続山形文などが描かれている。
石室の西半分にわずかに墳丘が残っており、発掘調査によって、墳丘を同心円状にめぐる列石の存在と、幅約1mのテラスを有する2段築成の墳丘であったことが確認された。
出土遺物:須恵器、土師器、馬具、鏡、耳環、玉類、鉄刀(鍔に銀象嵌あり)、鉄製工具など
日田市教育委員会
説明板にあった、最近までのガランドヤ2号墳の写真。
奥壁のには、赤地に緑で絵が図像が描かれています。
2号墳の東側には1号墳も。
墳丘は、きれいなお椀型に復元されています。
こちらも以前は、2号墳と同様に石室が露出した状態でしたが、コンクリートの覆い屋が造られてさらに土が盛られています。
下記のサイトで、コンクリ部分の外観写真が見られます。
ガランドヤ1号墳保存施設新築工事 | 一般社団法人 プレストレスト・コンクリート建設業協会 (略称)PC建協
現地の解説板の写真を見ると、こちらの奥壁にも人物や動物、舟、鳥、円文が描かれています。大変興味深いです。
ガランドヤ1号墳
築造年代:6世紀後半
墳丘の形:円墳(墳丘が失われ石室が露出している)
墳丘規模:直径約28.7m(推定)
石室:複室構造の横穴式石室
(玄室)長さ4.1m、幅3.0m、高さ3.4m
(前室)長さ2.1m、幅2.5m、高さ2.7m
概要:玄室奥壁には、赤の文様を緑で(あるいは緑の文様を赤で)縁取る技法により、人物・動物・舟・飛鳥・円文などが描かれている。
これらの文様は県内の装飾古墳の中でも自由な画風となっており、特に舟や鳥などの題材は「魂を送る場」「黄泉の国」を想像させ、当時の「死」に対するイメージを表すと考えられる。
なお、現在の外観は、1・2号墳の発掘調査成果を参考に推定された墳丘の直径を基に再現した装飾壁画保存施設であり、内部では壁画の劣化防止のため、温湿度管理を行っている。
※外観の高さについては、装飾壁画の保存及び活用のために設定した高さであり、本来の墳丘の高さを再現したものではありません。
出土遺物:須恵器、土師器、馬具、鉄鏃、耳環、玉類など
日田市教育委員会
ちょっと検索しただけでは公開日などの情報には辿り着きませんでしたが、いつかリアルに対面したいです。
1号墳開口部前から見る2号墳。
WEB上では詳しい調査報告書を見ることができます(容量が大きいのでwifi環境推奨)
史跡ガランドヤ古墳 保存整備に伴い調査報告書2010年 85頁
http://www.hita.ne.jp/~city/arc/h21/garan/garan.pdf
1号墳保存整備報告書~90頁
http://www.hita.ne.jp/~city/arc/h28/h28garan.pdf
ガランドヤという墳名の由来を調べていたら、鵜飼の鵜を飼う小屋であったとの興味深い説に行き当りました。
ガランは伽藍鳥・ペリカンの古名から大型の水鳥、トヤは鳥小屋。日田では古来より鵜飼いが盛んだったそうですが、露出した石室が鳥小屋になっていたとは。