本展開催を知ったのが8月下旬で、訪ねたのは最終日の8月30日。
現在の千葉県と南東北(宮城・福島)や北関東とが、原始古代から文化的・社会的交流を積み重ねていることを、発掘成果から5つの時代(旧石器・縄文・弥生・古墳・奈良平安)に分けて紹介する企画となっていた。
流山市立博物館は図書館に併設。9時半の開館前に行ったので並んでいる人が数名。
展示室は貸し切り状態だった。
黒曜石の割り方の紹介。
骨でつくった釣針。
弥生時代から古墳時代へのコーナー。
千葉市の人形塚古墳からの「あごひげの埴輪」が出ていた。
あごひげの人物埴輪は茨城県を中心に千葉県と福島県に分布。とても特徴のある姿をしているが、その出自はよくわかっていないそうだ。
非常に特徴的な”帽子”
上部は復元だろうが、同様の埴輪は複数出ている。
帽子の歴史で検索しても、特異な事例扱いのようだった。
いわき市と常陸太田市の人物埴輪の顔部分も。
いわき市の「牛転(うしころび)1号墳」の出土品には冠が。
常陸太田市の大方鹿島神社古墳の場合はパーツが分かれ、帽子(冠?)はなくなっている。
山武市に胡摩手台16号墳から出土した、2円窓鍔付き直刀。
鍔の上部に2つの孔が開けられた直刀は、千葉県を中心に関東・東北に分布。
蕨手刀も出ていた。
蕨手刀は長野県あるいは群馬県から東北・北海道に伝わり「蝦夷の刀」とも呼ばれるが、千葉県でも出土。「長煙道カマドの住居を多く含む集落の集中地域である市原市と袖ケ浦市で出土していることに、この地域の俘囚集団のまとまりの強さをみる」ことができるとのこと。
長煙道カマドは、古代国家の征夷事業で捕虜となった蝦夷が「俘囚」として各地に移配された痕跡となるそうだ。俘囚は国府・国分尼寺や集落の寺の造営、製鉄や土器生産などに従事する労働力として位置づけられていた様子。
長煙道カマドが使われた住居から出土した土器。
博物館の入口は、夏休み終わり(宿題応援)仕様。
東深井古墳群出土の人物埴輪は、その後ろに隠れていた。
当展はこのあと下記に巡回予定。
2020年10月3日~11月29日 芝山町立芝山古墳・はにわ博物館
2021年1月9日~2月14日 千葉県立中央博物館