墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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発掘された日本列島2020 @江戸東京博物館・両国

8月10日まで東京・両国で開催されていた「発掘された日本列島2020」展。

毎年9000件ほど実施される発掘調査から全国的に注目された数カ所の成果を展示している。平成7年度から毎年開催されていて今年が25年目!自分は2013年からなので8回目)

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企画展コーナーに入って右側に、今年の目玉品をあしらったポスター。

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今年度のメインテーマは「日本の自然が生んだ多様な地域文化」で、もうひとつのテーマは「記念物100年」

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入ってすぐは縄文土器。

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新潟県三条市の吉野屋遺跡出土の火炎土器。

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見れば見るほど岡本太郎。

 

青森の亀ヶ岡石器時代遺跡からの赤漆塗壺形土器。”石器時代遺跡”ではあるが、この出土品は縄文晩期、3000年~2300年前の時期。

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是川遺跡の壺形土器や注口土器。現地で見たかも。 

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まるでレプリカのような弥生時代の道具(柄付き鉄製やりがんな)は石川県小松市の八日市地方遺跡出土品。完形品で国内最古になるそう。

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古墳時代は、まずはニサンザイ古墳(百舌鳥古墳群)の内濠からの出土品。 

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歴史資料というより民俗資料の雰囲気(つい最近まで使われていたもののように見えた)

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蓋(きぬがさ)を模した木製品。上の写真の右の部品をはめて完成。

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先日訪ねた南九州の地下式横穴墓からの出土品。 

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西都原では展示館が閉まっていて見られなかった。

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その西都原4号地下式横穴墓出土の鉄製短甲をここで見ることが出来た。

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宮崎県えびの市、高原町、国富町、野尻町の地下式横穴墓出土の貝輪や鉄鏃。

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古市古墳群の峯ヶ塚古墳(前方後円墳:全長92m)出土の精巧な装飾品も。

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上段左はガラス小玉、右は管玉の首飾り。

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魚佩(ぎょはい)は腰に下げる飾り。去年の展示で福島の真野古墳群の出土品を見た。

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吉備(岡山県)の中山遺跡(真庭市:弥生後期後半~後期末)の特殊器台と特殊壺は、円筒埴輪のルーツ。 

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上記の左の壺を右の筒の上に乗せて葬送儀礼を行っていた。

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上記の発掘状況。一面に木棺墓跡が。

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円筒形の特殊器台には「弧帯文(こたいもん)」が描かれる。龍の表現との説もあるそうだが、眼のように見えた。円筒埴輪の「穴」の起源か。

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こちらも弥生時代、愛知県一宮市の山中遺跡、西上免遺跡出土の華麗な壺。

西上免遺跡出土品は右上2つだが、3世紀前半に築かれた全長40.5mの前方後方墳の周溝からの出土品。

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「パレススタイル」と呼ばれる端正なデザインの壺は山中遺跡出土。高さは37.5㎝でベンガラで赤彩が施されている。 

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パレススタイルは東海西部に発祥するが、関東からも出土例がある。

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そして古墳時代、にぎやかな埴輪コーナー。 

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解説にはその地域性が語られていた。

 

千葉県の埴輪も多く出場。図録によれば千葉県の古墳総数は8600基以上で埴輪が出土するのは280基ほどになるそうだ。

千葉県栄町の龍角寺101号墳出土の犬(右)と鹿(左)

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野田市の東深井7号墳出土の魚形埴輪。

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香取市の城山1号墳出土の家形埴輪。高さ84㎝。

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下記の人物埴輪と朝顔形円筒埴輪も城山1号墳から。

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人面付円筒埴輪は群馬県玉村町の小泉大塚越7号墳出土。高さ63.4㎝。

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中央は群馬県榛東村の高塚古墳から出土した弓形埴輪。左縁に弦が表現されているようだが出土事例は希少だそう(高さ109㎝) 

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上記の右は高崎市の保渡田八幡塚古墳出土の鵜形埴輪。首に鈴が付いた水鳥埴輪はこれが日本唯一で、ひもの表現がみられることから鵜飼の場面をあらわしたとみられるそう(63.6㎝)

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太田市のオクマン山古墳出土の鷹匠埴輪(138㎝)

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可愛らしい鷹。尾羽の鈴が狩りで使う鷹の特徴だそう。鷹狩りの風習起源は中央アジア遊牧民とされるが、古墳時代に乗馬の風習と共に日本に伝わったといわれているそうだ。

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こちらは大阪市の長原古墳群(古市古墳群の北西側)の出土品。

長原87号墳出土の人物埴輪。

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まげを結い、たすき掛けの袈裟のような衣装は巫女の姿とのこと(高さ46.5㎝)

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馬形埴輪、鳥形埴輪も長原87号墳の出土。

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たてがみの先端を棒状にねじっている。高さ76.5㎝。

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長原85号墳(長原一ケ塚古墳)からは家形埴輪も。

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こちらは鳥取県北栄町の土下(はした)古墳群・211号墳出土の鹿形埴輪。可愛らしい。

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先日訪ねた宮崎県新富町の百足塚古墳出土の埴輪にここで会えるはずだったが、ここにもコロナウイルスの影響が…

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最後のコーナーで、伝法古墳群(静岡県富士市)の出土品がずらりと展示されていた。

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中央は中原4号墳出土の鑿、鉄鉗(かなはし)、鉇(やりがんな)、針、鉄鍬先などの豊富な鉄器類。

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東平1号墳出土のT字形利器は全国5例しかない謎の多い鉄器で、高句麗のほぞ穴鉄斧がモデルと考えられるそうだ。

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東平1号墳の馬具や、西平1号墳の方頭大刀・蕨手刀。 

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今回も、とても見ごたえのある展示でした。

 

現在、新潟県立歴史博物館(長岡市)にて開催中、9月27日まで。
その後、福島県立博物館 (10月10日~11月15日)、愛知県の一宮市博物館(11月28日~12月27日)、大分県の中津市歴史博物館(2021年1月16日~2月21日)へ巡回。

https://www.bunka.go.jp/gyoji/92267701.html