墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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稲毛民間航空記念館 千葉市美浜区高浜

前回のつづき。

現在、稲毛浅間神社前から海岸線までは2.7km。その間は住宅団地になっているが、海岸沿いは稲毛海浜公園となっていて、公園内には稲毛民間航空記念館がある。

9時~17時、月曜休館。入館無料。

 

稲毛海岸の干潟に、明治45年から大正6年まで日本初の民間飛行場が開設されていたことに由来する。

民間航空発祥の地 稲毛
明治36年(1903)、人類初の動力飛行にライト兄弟が成功すると、明治43年(1910)には、日本でも陸軍を主体とした組織が、輸入した飛行機で初飛行に成功します。すると翌年、民間人で飛行家の奈良原三次は新設された所沢の軍用飛行場で、自ら考案した奈良原式2号機で国産機の初飛行を果たしました。更にその翌年の明治45年(1912)5月、奈良原は千葉県稲毛海岸の干潟を利用して日本初の民間飛行場を開設します。
潮が引いた時の限られた使用でしたが、よく締まった平らで障害物も少ない干潟は、用地取得と整備の費用問題を解決しました。この自前の飛行場を本拠地に、奈良原と弟子達は主に奈良原式4号機「鳳」号による飛行展示会の開催で、日本各地だけでなく海を渡り朝鮮半島にまで遠征したのです。
その後、奈良原の弟子たちが飛行機の開発、製作と操縦訓練を柱に、稲毛で事業化に取り組みます。
当時、唯一の民間飛行場だった稲毛海岸では新進の飛行家たちも集まり、民間航空で大いに活躍することになります。
(後略) 

 

動く模型もあった。左に稲毛浅間神社の鳥居も立っている。

 

奈良原式4号機のレプリカ。80%大の復元だが実際に空を飛んだもの。

 

 奈良原式4号機「鳳」号の説明板。

奈良原式4号機「鳳」号は、所沢飛行場で明治45年(1912)に初飛行しました。奈良原三次は「奈良原式複葉機」の特徴として、上翼と下翼が前後にずれている点を挙げており、これは当館に展示中の「鳳」号復元機でも再現されています。
この復元機は、「鳳」号の初飛行から75周年を記念して、「日本航空産業発祥の地の顕彰会」により昭和62年(1987)に80%のスケールで製作され、大利根飛行場で実際に空を飛びました。
現在のエンジンは外観を模したレプリカです。
諸元
乗員:2名、動力:ノーム空閨式回転星形7気筒50馬力、全幅:上翼11.40m・下翼:9.30m、全長7.00m、主翼面積:39.00㎡、自重:470kg、最大速度:70km/h、木製取材骨組、合板羽布張り構造 

 

垂直尾翼に「鳳」の文字がある。

 

横から見た主翼。

 

プロペラとエンジン模型を正面から。

 

代々木練兵場や所沢飛行場での初飛行の歴史は昨秋、所沢航空発祥記念館で見知った。

massneko.hatenablog.com

 

稲毛民間航空記念館では「稲毛海岸飛行場物語」のパネルに詳しい解説があった。

奈良原三次(1877~1944)とその弟子の白戸榮之助(1886~1938)、その弟子の伊藤音次郎(1891~1971)の足跡は、公式サイトにも詳しい。

稲毛民間航空記念館 民間航空史

 

白戸榮之助のお墓には4年前の歴史ツアーでお参りした。プロペラの形が彫られた墓石だった。

massneko.hatenablog.com

 

白戸榮之助のコーナー。

白戸榮之助氏 略歴
(1886~1938)青森県生まれ
徴兵で陸軍に入隊し、明治43年(1910)に気球隊の軍曹で除隊しますが、それが縁で、上官であり欧州で操縦を学んだ徳川大尉から推薦を得て、奈良原三次の元で民間操縦士を目指して教育を受けることになりました。同大尉の口伝を頼りに単独で奈良原式1号機の地上滑走訓練から始め、大変苦労しました。以後、操縦の要となり、明治45年(1912)4月、川崎競馬場の「鳳」号有料飛行会で、日本の民間操縦士の先駆けとなります。稲毛から移転した千葉寒川の「白戸飛行練習所」で育てた操縦士が、白戸式の飛行機を駆って、当時話題を集めた郵便や顕彰付の飛行大会で活躍しました。しかし大正12年(1923)に事故で愛弟子2人が相次いで殉職したことから航空界を退き、木工業に転じました。

 

記念館にはグライダー(プライマリー型式)も展示されている。 

 

公式サイト・ 稲毛民間航空記念館 いろいろな飛行機によれば、戦前の昭和13年(1938)、文部省は各中学校に滑空部(グライダークラブ)を設けることを奨励し、2年後にプライマリー(文部省1型初級滑空機)を発表。

千葉工業学校で昭和17年(1942)に、そのプライマリーの製作に取り掛かり、飛行に成功したそうで、展示品はこの製作に参加した生徒の一人・大野輝夫氏が寄贈したもの。

 

館内にはYS-11のプロペラも展示されていた。 

 

記念館見学後は海岸へも行ってみた。 

 

展望室や休憩室、会議室のある稲毛記念館。コスプレイヤーが大勢出入りしていた。

 

砂のビーチ、「稲毛の浜」

美浜区 - Wikipediaによれば、1976年にオープンした国内初の人工砂浜。

 

こちらは西方向。

 

海の向こうの東京スカイツリー。