墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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企画展 川瀬巴水 大田区居住90年記念・大田区制70周年記念 @大田区立郷土博物館

都営浅草線の終点、西馬込駅から徒歩8分ほどにある大田区郷土博物館。

 

川瀬巴水(かわせはすい:1883~1957)は大田区にゆかりの深い版画家。

大正15年(1926)11月に大森新井宿子母澤(現大田区中央4-13)で暮らし始めたので今年2016年が巴水が大田区に居住して90年にあたる。

昭和5年(1930)に南馬込に転居し、戦時中は栃木県塩原に疎開したが昭和32年(1957)に没するまでは池上台に居をかまえ、版画制作活動39年のうち31年を大田区で過ごしている。

 

大田区立郷土博物館は多くの川瀬作品を所蔵し、2013年10月から2014年3月にかけては生誕130周年の特別展を3期に分けて行った(自分が気づいた時は後期となっていた)川瀬巴水展と湯殿神社 @大田区馬込 - 墳丘からの眺め

 

今回は大田区の誕生70周年も記念して、区が誕生した昭和22年から昭和32年の絶筆に至るまでの所蔵作品からの展示。

パンフによれば「巴水が戦後に制作した作品をまとめて観る機会は比較的少ないのでは」「戦後作品の円熟した味わいを堪能していただければ幸いです」とあった。

 

2016年12月25日までで展示替えはなし。一般500円。撮影は不可。

大田区ホームページ:郷土博物館企画展「大田区居住90年記念 川瀬巴水―大田区制70周年記念―」のご案内

 

ポスターは、昭和26年作の「洗足池乃残雪」

大田区は昭和22年(1947)3月に当時の大森区と蒲田区が合併して生まれたが、昭和7年10月1日(都民の日の由来)に東京35区が誕生した際には、馬込町、東調布町、池上町、入新井町、大森町が「大森区」に、矢口町、蒲田町、六郷町、羽田町が「蒲田区」となっていた。

 

2階の企画展示室で80点ほどの版画(浮世絵)やスケッチ、画家を写した写真資料などが観られる。文士村の仲間と芝居中の写真などがあって面白かった。

作品は地元の本門寺や日本各地の海辺や山村、寺などの名所をスナップしたような美しい作品が並ぶ。歌舞伎役者の姿もあった。

版画とともにスケッチがある場合にはどこをトリミングしたかがわかったり、微妙な色重ねを試し刷りしているものはカメラの露出を比べているようだったりと写真家のような雰囲気も感じた。

色版の数は江戸期の浮世絵より多く平均で30回以上色版を重ねて刷っており、その様子がよくわかる「平林寺」の展示もあった。

 

3階にも馬込の月や雪の池上本門寺の作品が展示されている。

 

驚いたのは入場者への配り物があったこと。

なんとカラーレプリカの4枚セット。

左上が「歌舞伎座」(双作版画会:大正14年)、右上が「但馬 城崎」(旅みやげ第3集:大正13年)、左下が「駒形河岸」(東京十二題:大正8年)、右下が「曇里日乃矢口」(大正8年)

丸めてあったので押さえのみかんが無粋ですが…

丸められたものは3種類が配られていたので、他に8作があるはずです。

ほぼ原寸大だと思います。額装したいと思います。

 

在庫があるうちにぜひ。そもそもテレビ等でパブリシティが流れると混むと思うのでお早めに。

 

郷土博物館前の坂道を坂上から。先へ進むと都営浅草線の西馬込駅。

 

坂上の材木屋さんのトタン壁。

 

そこから段々に連なるモルタル壁の家。

 

駅に近い、元?電気屋さん。