墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

画像が出ない場合はPCで、クロームOSでお試しください。

九品仏・浄真寺 東京都世田谷区奥沢

狐塚古墳を訪ねた折、九品仏(くほんぶつ)も訪ねた。

 

一両ドアが開かない九品仏駅は自由が丘の次の駅。ホームの両端に踏み切りがあるので拡張ができない。それが長閑な雰囲気を醸し出しているが。

 

トイレは島式ホームの真ん中にある。

 

改札は踏み切りの中にある。上下線それぞれに遮断機があるので電車が来てもここに立つことができる。

 

商店街をほんの少し歩くとすぐに参道入口が見えた。

 

まっすぐ延びる浄真寺の参道。

 

境内の案内図。

 

「禁銃獵 警視廳」の碑。背面には明治32年と刻まれていて当時は銃猟が行われていたことがわかる。

 

山門近くには石碑が並ぶ。

その先に総門があり、境内は一段高くなっていた。

もともとは世田谷吉良氏系の奥沢城だった地で、小田原征伐後は廃城となったが、寛文5年(1675年)に当地の名主七左衛門が寺地として貰い受け、延宝6年(1678年)、珂碩(かせき)がここに浄真寺を開山した。九品仏浄真寺 - Wikipedia

境内には土塁も残っていた。

 

説明板から。

創建の由来
当山はひろく「九品仏」の名で親しまれているが、正式には「九品山唯在念仏院浄真寺」といい、浄土宗に属し、境内約12万㎡(3万6千坪)は往古の面影を保存する都内有数の風致地区である。開山は江戸時代初期の高僧「珂碩(かせき)上人」で、四代将軍徳川家綱公の治世延宝6年(1678)に、奥沢城跡であったこの地を賜り、浄土宗所依の経典である観無量寿経の説相によって堂塔を配置し、この寺を創建された。「江戸名所図絵」に描かれている堂塔の配置と現状とはほとんど変わりはないが、昭和40年に本堂・仁王門とも茅葺を銅板葺に改修した。

 

入ってすぐに閻魔堂があった。迫力の閻魔様。

 

葬頭河婆(奪衣婆)の方が凄みがあったが。

 

直角に折れて進むと右手に開山堂の門。

 

参拝したが尊像は拝めず。

 

この寺を開いた珂碩上人の自彫の尊像を安置するが毎月7日の開山忌に開扉されるそう。

 

屋根上の宝珠。

 

参道に戻って仁王門をくぐる。

 

仁王門を反対側から。

建立は寛政5年(1793)で別名紫雲楼とも呼ばれ、楼上には阿弥陀如来と二十五菩薩が安置される。

 

本堂脇の大イチョウ。

 

銀杏がポトンと落ちる音がしていた。

 

本堂と向かい合うように三仏堂が並ぶ。こちらは中央の上品堂。

 

木々が茂っていて3つの仏堂を1枚に収めるのは難しかった。

 

真横から見た三仏堂。

 

詳しい説明板があった。

九品仏と三仏堂

珂碩上人(1617~94)は、念仏行者として一代の高僧であるとともに、また非常に彫刻に秀でられ、その彫刻された仏像も多数におよんだ。なかでも、18歳で発願、51歳のとき完成した九体の阿弥陀如来像(九品仏)は上人畢生の結晶といわれる代表作で、未代衆生化益の尊い御仏像である。
九体とも文化財の指定をうけ、上品堂(中央)・中品堂(右)・下品堂(左)の三つのお堂(三仏堂)にそれぞれ三体ずつ安置してある。
上品堂のうち、中央を上品上生仏、右を上品中生仏、左を上品下生仏とする。中品堂、下品堂と同様で、したがって阿弥陀さまには、上品上生から下品下生まで九つの名があり、、それぞれ手の位置および印契が異なっている。なにゆえに阿弥陀さまに九品の差別があるのか、一つには私たちの浄土教入信の過程・段階を、二つには念仏によって浄化される私たちの心の様態を示し、三つには往生人たるわれわれの機根を分類したのであって、私たちが念仏信仰に入るときの動機から、段々念仏によって身と口と意の三つが浄化されてゆき「生けらば念仏の功つもり死なば浄土にまいりなんとてもかくてもこの身には、思い患うことぞなき」という念死念仏の心境に至る道程を示したものということができる。京都府下の浄瑠璃寺(九体寺)とともにわが国における東西の九品仏像の双璧である。

 

左の堂の中央の下品上生の阿弥陀如来。

 

左右にも2体。肉眼で見るより螺髪の青が鮮やかに写った。

 

中央の上品堂から見た本堂。

 

上品上生の阿弥陀如来。

 

中品上生の阿弥陀さまは修復期間中だった。

 

平成30年までの期間で修繕事業が進められている。

 

こちらは本堂の御本尊、釈迦如来。

 

九品(きゅっぽん)もいた。

 

本堂から見た枯山水。

 

なでたところが治るおびんずるさまは参拝者に人気だった。

 

その後ろにはアフロのような髪型の五劫思惟像。

 

本堂の隣に水の湧く(?)井戸もあった。8月にはサギソウが咲く一画とのこと。

 

モミジが多い境内だった。

こちらのブログに11月末ごろの見事な紅葉の写真があった。

九品仏浄真寺の紅葉 - 山ちゃんのホッ~とする写真館

この時期に再訪したい。