墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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「造形遺産001-025」展 @アーツ千代田3331

前回のつづき。

岩崎邸敷地の南側が柵で囲われて遊休地になっていた。コンクリ壁の右が岩崎邸庭園。

江戸時代には越後高田藩・榊原家の中屋敷だったそうだが、台地の先端であるということは、古代には古墳があったのではないかと想像してしまう。

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春日通りに面して聳えるマンション、湯島ハイタウンを裏手から。

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そのまま地下鉄湯島駅に向かったがまだ少し時間があったので、そのまま都道452号、かつての昌平橋通りを南へ。道は神田川(昌平橋)、淡路町、大手町と続いていくが、案内図にあった「アーツ千代田3331」へ寄ってみることにした。

通り沿い、2階部分が石張りの味わいのある建物。

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台東区、文京区、千代田区が入り組んでいるエリア。「3331」は湯島駅と末広町駅との中間ぐらいにある。かつての旧練成中学校を利用したアートセンターで、開館3周年になるそう。

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3331の名前由来は「江戸一本締め」のリズムにあり、「シャン・シャン・シャン」と三回打つことが三回で合わせて九(苦)となり、最後に「シャン」と一回打つことで苦を払って「九」に一画加えて「丸」とする。かけ声の「イヨーオ」は、「祝う・祝おう」が語源だそう。

3331について:ABOUT 3331:3331 Arts Chiyoda:アーツ千代田 3331:3331 ARTS CYD

 

ちなみに「関東一本締め(一丁締め)」は「よぉ~、ポン!」で締める。

 

こちらは入ってすぐ、大きな窓で開放感の溢れるカフェスペース。

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かつての教室ごとにいくつもの展示があったが、ひとつ気になるものがあったので2階へ。

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10/12で終了してしまっているが、京都工芸繊維大学の学生による「造形遺産 001-025」という展示を見た。

下記はサイトから転載。

京都工芸繊維大学で建築を学ぶ学生が取り組んだ設計課題の成果を展覧会としてご紹介します。日本には、様々な理由で未完成となり、そのままつくることも捨てることもできなくなった道路やダム、高架橋、トンネル、擁壁、土手、掘削跡などがたくさんあります。あるいは、一定期間、使用されたもののその後、粗大ゴミとなっている場合もあるでしょう。

私たちはこうした対象を「造形遺産」と呼び、それを完成させるのでも廃棄するのでもない第三の道を考えてみることにしました。建築設計、ランドスケープデザインのスキルを生かして、当初の目的にはとらわれずに有効活用するアイデアを提案します。

 

「未完成の土木構築物」(確かに廃虚とは呼びにくい)を「造形遺産」として活用するプランの力作が展示されていた。

 

 通ることのなかったモノレールの橋脚(スライドから)

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それをモニュメントとして活かす。

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 通らなかった鉄道の高架(こちらも現況のスライド)

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大きめのジオラマで表現したものも。

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こちらは未完で終わってしまった道路を活かしたプランを段ボールで作ったもの。

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戦争遺跡の掩体壕(戦闘機格納施設)を活用するものもあった。

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見ごたえのある展示でした。ぜひ実現して欲しいものも。

記憶やストーリーが付随していない遺跡については残ることが難しいので、それらを「活用する」視点は今後ますます重要になるように思いました。