墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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くらし館常設展示 @GAS MUSEUM がす資料館 東京都小平市

前回のつづき。

ガス灯館を見たあとに、くらし館へ。

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建物はかつての「千住工場計量器室」の移築復原。

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内部は「GAS CONSUMER'S GUIDE」になっている。

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これまでの広告作品の展示も。

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階段を上がったところではインフラ関係の展示も。

 

夕張特塊という石炭 1立方メートルで1300kgもある。

この塊で一般家庭3ヶ月分のガスになった。

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最初のガス灯は、石炭を蒸し焼きにしたときにできるガスが使われた(1792年、イギリス人のマードックによる)

 

大正時代のガバナ(レーノルド式)という装置。圧力を調整していた。

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ガス管も展示されていた。

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 珍しいガスオルガンの復元。

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ビデオでは炎と音が連動して面白かった。実演があれば見て(聞いて)みたい。

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ガスが一般家庭で使われ始めたころの、カマドや火鉢。

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コーヒー沸かし器と食パン焼き器。パンの焼き加減がリアルだった。

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文化住宅のミニチュア模型もあった。

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大正時代の英国製の七輪。構造的には今と同じようだ。

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他にもガス炊飯器や湯沸かし器など、懐かしの機器が展示されていた。

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ガスメーターやガス栓の常設展示もあった。

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ガス栓を見て急に懐かしい気持ちになった。

今はマンション暮らしなので部屋にガス栓はなく、食卓では携帯コンロで使うが、子どものころ実家では、たまのすき焼き鍋の時にホースをつないだガスコンロを使っていた。

マッチで火をつけるときに、元栓開けて、つまみを直角に向けて、というプロセスも楽しんでいたような気がする。

 

 

くらし館では明かりから熱源へと、一般家庭でガスが使われた様子がわかるようにさまざな機器が展示されていたが、産業分野でも蒸気機関に変わる(あるいはその熱源としての)動力源として使われたことがわかる展示もあった。

 

足利瓦斯株式会社が明治44年の創業以来発電用として使ってきた英国ホーンスビイ社製3馬力の内燃機関。会社は当時、繊維工業の中心であった足利市へ動力用ガスを供給していた。(以上はいただいたパンフより)

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続いて屋外展示へ。横浜市瓦斯局の機器。

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上記の説明板。 

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 大きな産業機器もあった。鶴見の工場で昭和5~46年まで稼動していた「コークガイド」 レールの上を動きながら、熱く焼かれたコークスを消火車へ運んでいた

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千住工場にあった乾式脱硫器。ガスを水酸化鉄の層に通して硫化水素等を除去していた。

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さまざまな機器やその説明を見て、「ガスの世界」の奥深さに触れたが、そもそもガスって何かについて知らないことが多いので、この機会にネットで調べてみた(注:素人には難しいテーマでした。簡易に調べましたが誤っている可能性があります。太字の項目出しは独自につけた部分があります)

 

ガス燃料の分類

燃料としてのガスを「成分」で分けると下記になる ガス燃料 - Wikipedia

炭化水素ガス:メタン(天然ガスの主要成分)、プロパン (石油ガスの主要成分)、ブタン 、アセチレン

その他の燃料ガス:水素 (水素燃料)、一酸化炭素 ( 合成ガスの主要成分)、アンモニア 、ジメチルエーテル

 

運搬・保管のための「輸送形態」で分けると下記になる(Wikipediaを参考)

液化石油ガス (LPG:liquefied petroleum gas):プロパン・ブタンが主成分。家庭・業務用はプロパンが主体であるが、工業用の主体はブタンであり、どちらもプロパンが純物質でない。これらを高圧で液化したもの。

液化天然ガス (LNG:liquefied natural gas):天然ガスにはメタン・エタン・プロパン・ブタン・ペンタンなどの炭素化合物や窒素が含まれ、産出する場所によって構成比が異なる。これらを-162℃以下に冷却して液体にしたもの。

上記の他に、ガスライターなどの液化ブタンガス (LBG)、ロケットエンジンの液体水素燃料などがある。圧縮はするが液化まではさせないものとしては、カセットコンロ用ガスカートリッジのブタンガス、圧縮天然ガス (CNG) などがある。

 

天然ガスでは、地下のどの場所から採れるかの「産出層」による分類があり、在来型ガスと4種の非在来型(タイトガス/コールヘッドメタル/シェールガス/メタンハイドレード)に分けられる。

天然ガスの種類|世界の天然ガス市場|日本ガス協会

 

「一般家庭への供給形態」では、都市ガスと、ボンベに入っているLP(プロパン)ガスの2通りあるが、都市ガスは天然ガスや石油系ガスを含めて、原料・製造方法・発熱量などが異なる7つのグループに分かれるそうだ。

ガスの種類 - ガスの安全豆知識|賃貸のホームメイト

東京ガスは「13A」だが、地域で異なるガスの種類に適合したガス器具を使う必要がある。

 

ちなみに「ガス」という英語の語源はカオス(混沌)のフランドル風発音からで、気体を研究したフランドルの医師であるヤン・ファン・ヘルモントが呼び始めたのが元になっている。(漢字の「瓦斯」は、音からの当て字)

ガス - Wikipedia

 

原油から精製される「ガソリン」は、「gas(ガス)」とアルコールやフェノール類の接尾辞であるolと不飽和炭化水素の接尾辞であるineに由来する。

ガソリン - Wikipedia

 

「ガス」はFC東京(親会社が東京ガス)の通称でもあるとのこと。

がす資料館と新青梅街道をはさんだ向かいにはサッカーグランドがあった。

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以上で、がす資料館シリーズ終了です。結構長くなってしまいました。