墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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カフェギャラリー高澤記念館 埼玉県行田市長野

9月最後の日曜日、さきたま史跡の博物館で開催中の「盾持人埴輪の世界」展(2020年11月23日まで)を見に行った。

電車とバスを利用。 

アクセス - 埼玉県立さきたま史跡の博物館

 

高崎線の吹上駅前で停車中の朝日バスの「行田折り返し場」行に乗ったものの、経由地が異なる路線だったようで、さきたま古墳公園に近づかない。乗りながらスマホマップを見ていると、古墳公園を中心とした円周上を回っていく様子。忍城の前を過ぎて、桜町という所で降車。さきたま古墳群の北端の神明山古墳まで徒歩25分と出た水路沿いの道を歩き始めた。

 

その途中にあった駐車場の「高澤記念館」という看板が気になったので立ち寄ってみた。

 

入口の方へまわると立派な長屋門があった。

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その手前にあった国登録有形文化財の説明板。

左のカフェギャラリーの案内には、OPENは金・土・日の11時~17時とある。

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国登録有形文化財
高澤家住宅主屋・離れ・土蔵・納屋・長屋門
平成19年5月15日登録
高澤家は、菩提寺に寛文6年(1666)に没した高澤三右ェ門の名が見られることから、江戸時代初期より当地に居住していたと考えられています。
明治時代末~昭和初期の当主であった高澤俊徳氏は、長野村長、埼玉県議会議長を務め、長野村信用組合の設立、坂巻導水路の建設、小針沼の干拓などを行い、この地域の発展に尽くしました。
江戸時代後期の建立と思われる主屋は、典型的な養蚕中2階造りの住居で、北関東における当時の豪農の様相を知る上で重要な建物です。
他に敷地内には安政6年(1859)建立の長屋門、江戸時代後期と思われる土蔵、明治3年(1870)頃と思われる土蔵、明治30年(1897)頃増築された離れなどが所在しています。
現存するこれらの建物群は、幕末を中心とした豪農住居の様相がうかがえる歴史的価値の高い建物群であると思われます。
なお、主屋は平成17年度に行田市の第1回「浮き城のまち景観賞」を受賞しており、現在は染色と陶芸の工房ギャラリー兼住宅となっています。
行田市教育委員会 

 

日曜日だったが朝の8時だったので引き返そうと思ったが、長屋門をよく見ると「OPEN」のサインが置かれていたので中へ入ってみた。

 

木立の先に主屋がある。

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窓が取り巻き、上部に換気の屋根が載る、養蚕中2階造り。

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大きくて迫力のある建物。

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カフェで作業されている方と目が合って、聞くと「OPEN」は間違いとわかったが、建物内を案内していただけた。

かつての広い土間の一部が、心地よいカフェに改装されていた。

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上記の背面側のカウンター。 

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戸棚の中の真空管アンプが気になりました。

 

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カフェの一画に置かれてた本(左端)に目が惹かれた。絶版になった本だが、この表紙の染色画が、高澤家の、故髙澤英子さん(染色工芸家・埼玉県女流工芸作家協会創設者)によるものだった。

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自分を案内してくださった方は、こちらのサイトで髙澤英子さんの長女の滝沢布沙さん(上記協会2代目会長)であったことを今知りました。

定年時代/埼玉版/平成22年1月号

 当日はご案内いただき、誠にありがとうございました。

 

カフェ側の土間を背にすると、お座敷が。

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土間には大きな絵馬が飾られていた。お伊勢参りで奉納したもの。 

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座敷側に上がって土間側を振り返る。右の畳敷きも元は土間。

正面の大黒柱は非常に太かった。

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土間の天井には太い梁。手前の格子の上には滑車があって、長持ち等をここを開けて2階へ持ち上げたそうだ。

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お座敷の様子。天井が低めなのは、養蚕用に二階の空間を大きくとっているからとのこと。 

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床の間の掛け軸は当主だった高澤晋之助氏によるもの。 さきほどの本の写真の右端は、髙澤英子さんが父晋之介氏の語録をまとめた本だったが、晋之助氏は断酒の会を主催していて、掛け軸の趣旨は、酒は完全に断つべきであって、一日一杯だけのやり方では結局我慢できずに誘惑に負けてしまう(意訳です。違訳かも?)

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古墳の本の表紙を飾ったろうけつ染めの実物も飾られていた。

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窓際に置かれたミシン。 

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右のハンドルを回す手回し式だが、手になじむ形をしていた。 

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アイロンや薬研もあって、小さな博物館のようだった。

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次回はカフェの営業時間中に参りたいと思います。

https://takazawakan.jimdofree.com/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC/

 

内側から見た長屋門。

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庭越しの主屋。

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