前回のつづき。
サントリー美術館の展示を見たあと、建物の外へ出て通りを渡って、21_21 DESIGHN SIGHTへ。
建物は2007年竣工。設計は安藤忠雄。巨大な鉄板屋根の下、地下に大きな展示スペースがある。
トゥーワントゥーワンが正式のようだが呼び方は迷ってしまう。
2月7日まで、建築家フランク・ゲーリー展が開催されている。
フランク・ゲーリー(1929~)は、トロント出身でロサンゼルスを本拠地とする建築家。スペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館(1997)で世界に衝撃を与えたときはすでに68歳、もうすぐ87歳であることをはじめて知った。
フランク・ゲーリー - Wikipediaを読むと若い時は結構苦労された様子。
が、2014年にはルイ・ヴィトン財団(パリ)、2015年にはフェイスブック本社・西キャンパス(カリフォルニア州メンローパーク)など、現在でも精力的に活動中。
本企画展のプレスレビューでは本人を招いてのQ&Aも行われている。
http://www.2121designsight.jp/documents/2016/01/FG-gehry-interview-vol1.html
入口のところには、ルイ・ヴィトン財団建物の50分の1模型。
角度を変えてみると鯨のようだった。
この1階はショップにもなっていて、ここまでは無料。
地下へ降りると有料展示。大人1100円。基本的に撮影可だった。
企画展「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」
鋭角の先に向かって階段を降りていく。
降りた下の吹き抜けスペースでは、壁全体を使って映像が投影されていた。
壁に貼られていた、大きなしわくちゃのマニフェスト。
右は、世間の注目を集めるきっかけとなった自邸。
広いホールにさまざまな建築模型が展示されていた。
そして実際のフランク・ゲーリーのオフィスの写真が展示されていたが、この美術館の展示をもっと圧縮したような雰囲気だった。
展覧会ディレクターの田根 剛氏がゲーリーのアイデアの源泉を分析した「アイデアグラム」
木や紙で模型をつくって、手で触って考えることでアイデアを進展させている。
触ってはいけないが、触りたくなる模型。
建築というより、大きな彫刻?
「言葉」を読んでいくのがとても面白かった。下記では「ロマネスク教会の建築と絵画の共存」について語られている。
「ドローイングはアイデアを試すプロセスである」
ずーっと眺めていたくなる、集合建築の模型。
多くの建築家が家具も手がけるのはそういう意味があるからか。
座れないが、座りたくなる。
「ゲーリーのシークレット」というコーナーの展示。魚への興味を抱き続けているという一面があるそう。
ゲーリー建築の外壁によく使われるチタンパネルも展示されていた。
ちなみに本展ディレクターの田根 剛氏は建築家。
新国立競技場のはじめのコンペでは最終選考にも残った案は、「神宮外苑の敷地に盛り土をして山をつくり、その中に競技場が半分埋まっているという構想」で、「東京にまるで古墳をよみがえらせたような風景は、大きな話題を呼んだ」そうです。
カッコ内の文、画像ともに下記サイトより。
http://www.2121designsight.jp/documents/2015/10/FG-pre-vol3.html
現代の東京によみがえる古墳!
自分としてはこの案を実現していただきたかった・・・
時間がなくて見逃してしまいましたが、動画映像による解説もボリュームがあって面白そうでした。建築好きなら半日ぐらい過ごせるのでは。
おすすめの展覧会だと思います。