墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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鳳凰閣(旧晴明文庫) 東京都大田区南千束

以前に洗足池を訪れたときに、案内図で気になっていた「鳳凰閣(旧晴明文庫)」へ行ってみた。

洗足池 千束八幡神社 東京都大田区南千束 - 墳丘からの眺め

  

東急池上線の洗足池駅で下車、中原街道を渡って洗足池図書館の脇の小道を進む。

道沿いに「勝海舟別邸(洗足軒)跡」の案内板があった。

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勝海舟は鳥羽伏見の戦いで敗れた幕府側の代表として、官軍本陣が置かれていた池上本門寺の西郷隆盛を訪ね、交渉の結果、江戸は無血開城となった。

その、道すがらにあったこの場所を勝海舟は気に入って茅葺き風の別邸を建てた。お墓もすぐそばの洗足池湖畔にある。

残念ながら洗足軒は戦後に焼失した。現在跡地には大森第六中学校がある。

 

御松庵妙福寺境内に沿った微妙な上り道を行く。

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正面斜め左が洗足池公園入口。ここで右折する。

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鳳凰閣(旧晴明文庫)は、その大森6中の隣にあった。

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大田区による説明板が掲示されていた。

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鳳凰閣(旧清明文庫)は、勝海舟の精神を基本に、図書の収集閲覧、学習、人材育成を目的にした講義を行なう場として、財団法人清明会が昭和8年(1933)に開館しました。

建物は、当時の教育施設に多用されたネオゴシック様式などを基調としたもので、昭和初期の時代を表す歴史的建造物です。また、この建物は平成12年(2000年)に国登録有形文化財に登録されています。

清明文庫を解説した清明会は、大正9年(1920)から昭和10年(1935)まで、仏教と儒教の精神を基とする東洋文化に対する啓発活動を目的に活動した団体です。

今後は文化財として保存及び活用法方を検討し、整備を進めていく予定です。

 

 Wikipediaによると、勝海舟の没後使われなくなっていた洗足軒を晴明会が講堂として譲り受け、さらに隣接する土地を勝家から寄贈されてこの晴明文庫を建て、戦後に学研が取得し「鳳凰閣」と名付けられ、現在は大田区が所有しているとのこと。

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周囲は金網で囲われている。

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全体にすっきりとした雰囲気だが、よくみると凝ったところがある。

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正面の玄関上の4つの柱が、ネオゴシックのスタイルを形成している。

柱上部の間の装飾タイルもきれいに残っている。

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ドアはスチール製のようだ。ドア窓部分のデザインが可愛らしい。

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背面側。2階部は左側が講堂、右側が書庫だったようだ。

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ネットで調べていたら下記の論文がヒットしたので参考にさせていただいた。

平成23 年度 日本大学理工学部学術講演会論文集「鳳凰閣の建設背景と建築的特徴 大田区の歴史的建造物(1)」

http://www.cst.nihon-u.ac.jp/research/gakujutu/55/pdf/I-4.pdf

建物の詳細が紹介されていてとても勉強になった。

下記のまとめの一節を読むと内部を見たい気持ちが高まってしまう。いつかぜひ拝見したい。

鉄筋コンクリート造の採用、明治から昭和にかけて教育機関の建築意匠として多用されたネオゴシック様式を基調とし、表現主義やモダニズムの影響を感じさせる外観意匠、細部装飾においては鋭角的なデザインを狙ったアール・デコの影響も受けるなど、旧晴明文庫の建物は、昭和8年という時代相を見事に体現している点に最大の特徴がある。その後の改変にもかかわらず、南側の玄関及び階段室、応接室の部分は床、壁、天井等の意匠が当時のままに残っているという貴重な作品である。

 

後から増設された周囲の建物が取り除かれているので、”トマソン状態になっている”ドアもあった。

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建物の北側は勝海舟の墓所。

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ゆるやかな傾斜地に建つ。

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上記写真の右側は大学の寮だった。

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ここは建て替え工事がはじまるが現況と同じ3階建て。大きな建物でなくてよかった。

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帰り道、「例のガード」に立ち寄った。

東京で一番低い桁高(?)のガード下 @東急池上線洗足池駅付近 - 墳丘からの眺め

中原街道と反対側の住宅街からのアプローチ。

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ガードというより地下道の雰囲気だった。

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