墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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伊方古墳 福岡県田川郡福智町伊方

前回の夏吉1号墳から西に2.4㎞に、伊方(いかた)古墳があります。

西方700mほどには遠賀川の支流の彦山川。

 

丘上の住宅街に残る墳丘。

 

道を挟んで駐車場も完備。

 

このあたりは弥生時代から続く遺跡でした。

県指定史跡 伊方石丸遺跡
田川町福智町伊方3946番地ほか
伊方石丸遺跡では、弥生時代中期のお墓48以上と、ほんの少し時期の古い貯蔵穴2、それに鎌倉時代末頃の井戸1基が発見されました。
弥生時代のお墓は、大人を土壙墓や木棺墓に葬り、子供を甕棺墓に葬ったようです。
伊方古墳石室のすぐ隣にある土壙墓からは碧玉製の管玉10個が発見され、少し身分の高い人であったのでしょう。
田川地方でこれだけ多くの弥生時代のお墓が発見だれたのは初めてのことで、また貯蔵穴があることからも、この周辺に多くの人々が生活していたことが考えられます。
時代は違いますが、鎌倉時代の井戸が一つだけ発見されました。中からは輸入陶磁器、土器、鉄製鋤先、石臼、木製品などが出土しており、屋敷などがあったと考えられます。
いずれにしても、2000年以上昔から住みよい土地であったのでしょう。発掘調査終了後に道路が建設されましたが、伊方石丸遺跡は破壊されることなく現在も道路の下に保存されています。
発掘年月日:平成11年7月21日~平成12年2月22日
福智町教育委員会

 

伊方古墳の説明板。

県指定史跡 伊方古墳
昭和52年4月9日指定
伊方古墳は、今から1400年くらい前、古墳時代の終わり頃に造られたお墓です。
どんな古墳か調べるために発掘調査をしたところ、石室へ続く道である墓道や墳丘をとりまく溝である周溝が見つかりました。墳丘の大きさは直径約32mの円墳と考えられます。内部の石室は前室、玄室という二つの部屋がある複室構造の横穴式石室で、確認できる部分の長さは13.6m、高さは玄室で2.95mありmす。この石室は花崗岩の巨石を使っているのが特徴で、一番奥の壁に使われている石は幅2.3m以上、高さは2.5m以上もあります。
また、発掘調査では副葬品という古墳のお供えされた様々な遺物も見つかり、馬に乗るための道具である馬具や須恵器などの土器、身につける装身具などがりました。(後略)
平成16年12月 福智町教育委員会

 

平面図部分。

 

南東側に開口部。

 

残念ながら、施錠された柵が。

 

見事な巨石の石室です。これは入りたい…

柵の狭い隙間からスマホで。

 

前室と玄室をズームで。

 

奥壁を。

 

毎年4月と10月、遠賀川流域の他の古墳と同時に公開されています。

伊方古墳|福岡県町村会

 

額田大玉さんが公開時に訪ねられています。

伊方古墳

 

墳丘は復元が入っているようです。


北側から。周囲の地形はかなり変わっていると思われます。

2023年9月上旬訪問