唐津では幾つかの著名な建物も訪ねました。
旧唐津銀行本店は明治45年(1912)の竣工。辰野金吾が設計監修した近代建築です(実際の設計者は弟子の田中実)
西側には大きなアーチ。
上記の左側の路上に、辰野金吾(右)と曽禰達三(左)の銅像があります。両者とも唐津の出身。
あの村野藤吾も唐津出身で、佐賀市の佐賀県立博物館ではその3人の建築家に焦点をあてた「建築の建築~日本の”建築”を築いた唐津の3巨匠~」展が開催されていました(2022年9月6日~10月22日)
南側正面。
現在はレンタルスペースとして活用されていますが、銀行時代の内装が美しく残っています。
窓口の内側。コンサートなども行われているようです。
魅力的な木製階段。
階段の上からは吹き抜けが見通せるようになっていました。
上記の右側の部屋が展示施設になっていて、このときは「建築の建築」展のサテライト展示がありました。
公式サイトによれば、唐津銀行の頭取で辰野に建築を依頼した大島小太郎は藩校の同級生。57歳だった辰野は当時東京駅の設計工事中だったので、愛弟子だった田中実(27歳)に委ねたが、田中は師匠の故郷であることに配慮して建築全体のデザインには典型的な「辰野式」を採用するとともに、”建築家田中実”として赤レンガ調タイル等を用いた独自のデザインを取り入れたそうです。
他にもいつくもゴージャスな部屋があり、見応えのある建物でした。
機能的な螺旋階段。
唐津城の近くの旧高取家住宅も訪ねました(入館料520円)
杵島炭鉱などの炭鉱主として知られる高取伊好(たかとりこれよし:1850~1927)の邸宅。お座敷のつづきが能舞台だったのには驚きました。内部撮影不可。
こちらは宿泊した洋々閣。
その玄関。
部屋にもお庭にも食事にも、感銘しました。
館内には唐津焼の隆太窯のギャラリーも。
前日に隆太窯を訪ねたのですが、洋々閣での食事にはその隆太窯の器が使われていたので、手触りも味わえる貴重な体験となりました。