アントニン・レーモンドが設計した群馬音楽センターは、高崎駅の西700mほどの、高崎城址公園、高崎市役所、高崎市立中央図書館などが建ち並ぶ高崎の”中心”に位置します。
竣工は1961年。この日は開館60周年を記念する講演会&コンサート(群馬交響楽団)が開催されました。
正面は北側で、八角形の上半分のような形状をしています。
大きなガラス面の内側は天井の高いホワイエで、ホール側の壁には見事な壁画があります。
当時の総工費3億5千万円のうち、1億円は市民による寄付で賄われたそう。
総工費を抑えるために、厚さを抑えた板状コンクリートの折板構造で造られています。
曲線のない、キリッとしたデザインが気持ちよいです。
逆サイドから。
側面の板も厚さは25㎝ですが、横から見ると迫力です。
南側から折板構造の波が続いてきて、北端でパッと広がります。
こうみると、正面側を囲むような折板は構造的には不要とも思えますが、これがあることによって堂々とした印象になっています。
その輪郭線はホール内にも続くので、ファサードが形のプロローグにもなっていると思いました。
この八角形上半分の線は、旧井上房一郎邸の梁で見たものでは!と思いました。
建物側面がまた大迫力。
ホール内にある展示部屋に模型がありました。音響効果が考慮された扇形。
アコーディオンのように圧縮できそうな雰囲気です。
建物脇にひっそりと、琴を弾く埴輪のレプリカが。
南側に回ると、やはり波打つ屋根の別棟が。オーケストラの直前リハーサルが外にも聴こえていました。
南端の円筒は排気塔でしょうか。
南端側の壁。
西側側面に回って。要塞の雰囲気。
気持ちの良い直線。
参加したツアーでは高崎市役所最上階のレストランで昼食をとりました。そのエレベーターホールからは全体像がつかめます。
北東方向には赤城山。
北西方向には榛名山。
西北西、碓井川の上流方向。浅間山は見えず。
古墳王国群馬県ですが、墳丘は見えていなかったと思います。