多胡碑記念館のそばには、2基の古墳が移築復元されていました。
石室が開口する南高原1号古墳。
解説プレートもあります。
南高原1号古墳(上毛古墳総覧多胡村115号)
高崎市吉井町神保259、260、261番地より移築
本古墳は直径17mを測る円墳で、低い基壇を有する二段築成を呈しています。周囲に堀を巡らせ、墳丘表面には北側を中心に葺石が残っていました。主体部は南側に入口をもつ横穴式石室です。石室全長は約8mで、石材は地元の牛伏砂岩を用いています。築造年代は7世紀代と推定されます。
石室断面図
石室は、奥の天井石及び奥壁、左右側壁(袖部を除く)、通路(羨道)の左右側壁下半(入口は除く)が残っていました。
石室には格子戸まで近寄れます。
玄室奥壁は一枚岩。
奥壁に向かって左側。
右側。
開口部の背中側は墳丘も復元されていました。手前側が基壇ですね。
背面側の様子。
もう1基は、片山1号古墳。
ぎりぎり読める解説。
片山1号墳(上毛古墳総覧吉井町65号)
高崎市吉井町片山117番地より粘土槨を移築
本古墳は、墳形32.6mを測り、周囲に巡る濠跡を含めると直径約50mを測る円墳となります。主体部は墳頂中心より南に寄った位置から、8.8mを測る長大な粘土槨を確認しました。粘土槨からは小型仿製の内行花文鏡のほか竪櫛(約40点)、鉄剣、鉄鏃、鉄製斧、石製模造品(斧・刀子・臼玉)、管玉などが出土しました。
築造年代は、4世紀末から5世紀初頭と推定されます。
粘土槨は全長約8.8m、幅約2.0mの墓壙の中に粘土を敷き、大木を建て半分にして中をくりぬいた割竹形木棺を置き、更に粘土で包んだものが残っていました。
「粘土槨を移築」とあるので、土盛りの中に埋まっているのですね。