墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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レストランノエル Restaurant Noel 山口県宇部市1丁目

8月のお盆が過ぎた週末、家族で宇部へ行ってきました。

目的は、古墳とレストラン。

行きの飛行機で、左側の窓から見えた富士山火口(左下)

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レストランは空港から車で10分ほど。 

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テーブル3卓ほどの、アットホームな雰囲気のレストラン。

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 この幅広の薄い木の板の椅子も石上純也が手掛けたものだそうです。

 

下記の極薄板のテーブルも。

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食事をしたのは夜でコース料理。

そのうちの一品が下記で中段のムースはパプリカ。

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料理もワインも最高でした。 

 

このレストランを知ったのは2年前に開催された「建築の日本展」にて。

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石上純也設計によるレストランの、施工動画が流されていて興味を惹かれました。

レストランのサイトに写真がありますが、洞窟のような建築。

 

地面を掘った穴に鉄筋コンクリート入れて柱~天井とし、柱の周囲に元の土層を薄い皮膜のように残し、柱~天井の下に残る土を取り除いた空間が「建物内部」となります。

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上記のサイトに「サポーター制度」が案内されており、諸条件を満たせばサポーターになれるとのことでトライし、認めていただきました。

施主の平田シェフには新店舗の建築現場を案内していただけでなく、石上さんとの交流(学生時代からの友人とのこと)などさまざまな大変興味深いお話を直接うかがうことができました。

”洞窟”的な建物も平田さんの意向の反映であり、上記のカタログの石上さんによる解説も下記のような書き出しでした。

「できるだけ重々しい建築を設計してほしい」と数少ない要求の中でそのことを強調された。

「時間とともにその重みを増していくような建物がほしい。プレファブや鉄構造のような軽いものではダメだ。ツルツルのものではなく、もっと自然の粗々しさを含むような建物にしてほしい。本格的な料理にはそういう空間が必要なんだ」

クライアントはフレンチレストランのシェフでありオーナーである。彼の住宅兼レストランを設計することが依頼であった。

(後略)石上純也

 

現場の写真は残念ながら著作権の関係で公開できません。 

 

が、お店のサイトにパリ・カルティエ現代美術財団で開催された junyaishigami 展での動画が掲示されているのでリンクします。


Junya Ishigami - House & Restaurant

 

ファッション雑誌の撮影舞台にもなっています。

https://www.elle.com/jp/decor/decor-architecture/a96128/dpi-jyunya-ishigami17-0921/

 

簡単には訪ねられない場所ですしサポーターとなるにもハードルがありますが、現店舗での料理も素晴らしく、建築現場の遺跡のような内部空間に入って大きな感動を味わうことができました。ありがとうございました。

皆様におすすめしたいと思います。

 

※追記(2021年7月)

レストランノエルはすでに閉店しています。

平田シェフは9月5日まで、東京千代田区の九段ハウスにて、石上純也氏が手掛けるパビリオンの展示期間中にその洋館で「メゾンアウル・プロローグ(maison owl PROLOGUE)」という1日3組のレストランを展開中。

宇部で建設中の”洞窟レストラン”は「maison owl」という名になったようですが、まだ竣工時期は定まらないみたいです。