墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

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別府市児童館・レンガホール(旧別府郵便電話局電話分室) 大分県別府市末広町

大分墳行の3日目の朝。ホテルの窓からの別府湾南側。正面には、お猿で著名な高崎山。

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朝一での訪問は別府市内の建物見学。この街には吉田鉄郎(1894~1956)が手掛けた昭和初期の建築が2棟ある。

はじめに昭和3年(1928)12月に竣工した旧逓信省別府電報電話局、現別府市児童館・別府市南部子育て支援センターへ。

鉄筋コンクリート造の2階建で、外装には煉瓦タイルが貼られている。

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吉田鉄郎は旧東京中央郵便局(現KITTE丸の内)の設計者。 

 

昨年末に企画展を見た。 

 

東側(港側)を向く正面。

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上から見るとL字型。 右側が正面。

 

両脇の雨樋が、柱頭付きの細い柱のよう。扉上部のアーチが長めなのは左右の窓と高さを合わせているのか。

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午前6時前だったので、まだ開いておらず。

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2階のテラスの下部は、煉瓦が手前に12段も持ち送られる。

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道路に迫り出た門は石段を守るため?

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石段脇に説明板があった。

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レンガホール
所在地:別府市末広町1番3号
建物規模:建築面積649.09㎡・延面積1222.79㎡
構造:鉄筋コンクリート造 2階建 外装タイル張
設計者:吉田鉄郎(1894~1956 富山県生)
大正8年東京大学卒業。逓信省営繕課に入る。書記はドイツのジューマッヘル、北欧の建築家エストベリィらの影響を受けた。また京都や宇治山田の郵便局では屋根を被せるなど模索期が続いたが、昭和6年末東京駅前に竣工した東京中央郵便局によって独自の境地を確立。日本の木造建築のもつ簡素で清潔な美を柱と梁の真壁構造で表現する手法は昭和14年大阪中央郵便局で頂点に達した。本建物は吉田鉄郎の初期作品であり近代建築に情熱を傾けた当時のものである。
建物歴史:
昭和3年旧逓信省別府電報電話局として建設される。昭和40年別府電報電話局の移転により別府しが買収し、市役所第二庁舎・市役所南部出張所等ちして利用された。
平成3年改修及び修復工事を行い、広く市民に開放し利用できる、トレーニングルーム・会議室等の施設を持つ建物に生まれ変わる。
現在吉田鉄郎の設計として残る建物は九州では別府市中央公民館と本建物しかなく貴重な建物である。
命名者:宇都宮ハルエ氏(平成3年) 

 

縦長の2連窓は、1・2階を連続して1段(正確には3段)凹ませている。

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そのデザインによって、窓と窓の間が細い柱のように、また2連窓の間の壁が太い柱のように見える。(建物南側側面)

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窓下側の煉瓦は雨水が流れるように傾斜がつけてある。窓幅は煉瓦きっちり13個分。

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北側に回り込む。基礎の部分を見ると、立地がゆるやかな斜面であることがわかる。

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北側側面は、積み木のように長方形の塊を組み合わせた複雑な形。 

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左が東端。

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中央部分。

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 右(西)端側。

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壁の向こうで階段が折り返していると思われる。 

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南側道路とを結ぶ通路があった。

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通路に入ってゲート前から振り返って。

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大きく張り出た庇が連続する。当初は積み下ろしする荷物があったのだろうか。 

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水道栓のついた柱。 

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 L字の内角の部分。ここの雨樋はちょっと詰まっているか。

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そこから左を向いて。電気や火器を扱う部屋を外付けにしているのか。

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少し引いた位置から。

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スロープの基礎を見ながら道路側へ戻る。 

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道路側の基礎部分。

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南側の道路に面した側面は40m以上になる。 

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向かいの駐車場の奥から撮っても入りきらなかった。

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さきほど内側へ回った箇所。

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その左側も、アーチの門が設けられていた。

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アーチを下から見上げて。

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アーチの前から東方向を。 

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さきほどの解説には平成3年に改修・修復工事がなされたとあったが、オリジナルの状態がかなり保たれながら、大切に使われ続けていることが感じられた。

 

この時点で朝の6時前だったので外観だけになったが、機会があれば再訪して、建物内部も見学してみたい。

 

この後に、吉田鉄郎が当館の直前に手掛けた別府市公会堂(1928年3月竣工)を訪ねた。