前回のつづき。
桜生史跡公園内にある大岩山古墳群中の3基の最後は甲山(かぶとやま)古墳。
確かに、甲(ヘルメット)の形に見えます。
大きく開口した横穴式石室。
しっかり鍵がかかっていたが観光協会のサイトを見ると、公園開園日には、この最初の扉は開いているようです。
http://www.yasu-kankou.com/spot/2015/07/post-3.html
柵越しに中を覗くと玄室の明かりがつき、二つ目の扉の先の家形石棺が見えました。
フラッシュで。石室全長は14.2mにもなります。
ズームで。
檻に入った巨人の頭のようでした。
「目」のように感じた部分は穴ではなく、斜めにずれてかかる石棺蓋の縄掛け突起と角の部分の影なんですが。
扉の前の説明板。
甲山(かぶとやま)古墳
標高110mの丘陵先端につくられた6世紀前半の円墳で、直径約30m、高さ10mの規模をもち、内部には西に開口する横穴式石室があります。
整備前は、部屋(玄室)手前の天井石が落下しており、内部に大量の土砂が堆積していました。また墳頂部も陥没し、墳丘盛土も流失しつつあり危険なことから、通路(羨道)の石組を積み直し、墳丘盛土についてお復元整備を行いました。
石室は、奥に向かって下がっている通路(羨道)があり、部屋(玄室)は、奥から見て右側に袖をもち、長さ6.8m、幅2.8m、高さ3.3mの規模で、床面には玉石が敷き詰められています。中央部には、長さ2.6m、幅1.6m、高さ約2mの熊本県宇土半島の凝灰岩でつくられた家形石棺を安置しています。
整備に伴う発掘調査によって装身具(金糸、銀製くちなし玉、空玉、碧玉製切子玉、ガラス玉)、鉄製の武具(甲冑、大刀、矛、鏃、刀子)、馬具(金銅製鏡板付轡、金銅製透彫入雲珠、馬甲)などが出土し、特に金糸や馬甲は珍しいものです。
石室実測図部分。
滋賀県教育委員会による詳しい資料には、甲山古墳羨道解体工事時の貴重な写真が掲載されています。
http://www.shiga-ec.ed.jp/www/contents/1438304524592/html/common/other/55d173d3025.pdf
谷に降りて、見上げた甲山古墳。中央の木の向こう側です。
園路を下った道路沿いの「甲山古墳」標柱。
展示室の近くには立体模型も(左上が北)
中央、山の縁で三角形を成す右上が円山古墳、下が天王山古墳、左が甲山古墳。
左上の帆立貝形古墳は大塚山古墳。
隣にあった地図(右下が北)
野洲”町”の古墳分布図(左上が北)
大岩山古墳群の分布図。鉄道は、古墳をなるべく壊さないように通したのでしょうか。