墳丘からの眺め

舌状台地の先端で、祖先の人々に思いを馳せる・・・

富士見塚古墳(再訪) 茨城県かすみがうら市柏崎

前回の﨑浜横穴墓群見学後、西へ戻って霞ヶ浦大橋を渡ろうとしていたが、その前に以前に訪ねた富士見塚古墳へ立ち寄った。

 

前回とは、古墳探訪を始めたばかりの7年前。親子で楽しんだ墳行。

ブログも始めたばかりで、年末まで非公開にしていた。

 

丘陵に上がると、懐かしい姿が。

 

鞍部の階段を上がる。

 

登って振り返ったところ。

 

鞍部から見上げる後円部。

 

後円部墳頂から北西方向。

 

筑波山が良く見えた。

 

後円部から前方部を。

 

左手には、鏡にような霞ヶ浦の湖面。

 

右手側も標高が下がる。標高差は30mほど。菱木川沿いの谷状地形に水田が延びていて、かつてはこちら側にも湖水が入り込んでいたように思える。

墳丘はどちらから見ても目立っていただろう。

 

後円部斜面を見下ろすと、長い影ができた。

 

その位置がら前方部方向を。

 

7年前(5月)も同じ位置で撮っていた。階段を走っている小3だった子供は、もうすぐ高校生。

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墳丘全長は約80m。墳頂が狭いがその分(?)高さがある。

 

前方部墳頂へ行くと、その先に円墳が見える。

 

そこから右側を。

 

左側を。

 

前方部から後円部を。

 

筑波山はこちらからの方がしっかり見えた。その右は難台山でしょうか。

 

階段下のところが「造出し」

かすみがうら市教育委員会のサイトに解説がある。 

https://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/bunkazai/ken/shiseki/12-60/12-60.html 

 

 下へ降りて後円部裾から。

 

きれいな盾形の周溝、周堤を持つ。

 

階段の反対側に解説板があった。

富士見塚1号墳
全長80.2mの前方後円墳です。かすみがうら市内では最も大きな古墳で、対岸からも雄大な姿を見ることができます。
発掘調査により、後円部に木棺(木をくりぬいた棺)、前方部に石棺(石で組み立てた棺)が発見されました。盗掘にあっていたため、埋葬施設周辺が荒らされていましたが、後円部からは直刀(刀身がまっすぐな刀)、鉄鏃(鉄製のやじり)、馬具(馬につける装具)の破片、管玉(つないで首飾りにする石製の筒状のもの)、ガラス玉が、墳丘や周溝(古墳の外側をめぐる堀のようなもの)からは円筒形、朝顔形、家形、人物、動物などの埴輪が出土しました。
人物埴輪の盾持ち人、横髷女性や動物埴輪の鹿、犬、猿などは葬られた権力者の身近に存在したものを表現したと考えられます。
富士見塚1号墳がつくられた時期は、墳丘形態や埋葬施設、出土遺物などから5世紀末から6世紀初頭と思われます。
かすみがうら市教育委員会

 

もう一枚、周辺古墳も含めた長大な説明も。 

霞ヶ浦周辺の古墳
霞ヶ浦周辺で最初につくられた古墳は、今からほぼ1700年前の前方後方墳です。
霞ヶ浦の湖岸や霞ヶ浦にそそぐ川の河川沿いにつくられた、石岡市の丸山古墳、行方市の勅使塚古墳、土浦市の后塚古墳、つくば市の桜塚古墳などが主な古墳です。
また、ほぼ1600年から1500年前には、全長100m前後の大きな前方後円墳がつくられるようになり、頂上周辺に埴輪(円筒、人物、動物などの形をした素焼きの焼き物)が立て並べられています。その中でも、石岡市の舟塚山古墳は全長186mと茨城県内で最大の古墳です。行方市の三昧塚古墳、小美玉市の権現山古墳、かすみがうら市の富士見塚1号墳がほぼ同じ時代につくられています。富士見塚古墳群より出土した埴輪は富士見塚古墳公園展示館で見ることができます。
今からほぼ1400年前の古墳の石室や石棺からは、銅鍍金を施した金銅製装飾品が葬られるようになり、本市の安食地区にある風返稲荷山古墳からは、金銅製の装飾付大刀(飾りの付いた長い刀)や馬具(馬につける装具)類が出土しています。
かすみがうら市の代表的な古墳
1、牛渡牛塚古墳
牛渡地区にある直径40mの円墳です。
石岡市常陸国の国富があったころ、国府へ向かう勅使(天皇のことばを伝える使者)を乗せてきた牛が、霞ヶ浦を船で渡った勅使を慕って泳いできたが、力尽きてこの地で亡くなってしまい、そこで勅使を慕う牛を大切に葬ったという伝説がある古墳です。周辺からは壺形の埴輪片が採集されていることから、5世紀につくられたものと思われます。
2、風返稲荷山古墳
安食地区の風返古墳群の中心となる全長78mの前方後円墳です。昭和39年に日本大学考古学会により発掘調査が行われ、馬具や装飾付大刀など貴重な副葬品が多数出土しました。7世紀前半につくられたものと思われます。
3、太子古墳
安食地区にある全長60mの前方後円墳と思われます。現在は横穴式の石室部分のみ残されています。地域の人たちは「太子のカロウド」と呼んでいます。当時、横穴式の石室奥壁は、前面が鮮やかな赤彩が施され、左右両壁には赤色の丸紋が描かれておりましたが、現在は赤い線がわずかに見られるのみです。
4、熊野古墳
市川地区にある全長63mの前方後円墳です。前方部が低く、5世紀前半のやや古い時期の古墳と思われます。高さ8mの後円部頂上は、径16mの平坦地で、熊野神社が建っています。
〇富士見塚古墳群の概要
富士見塚古墳群は、中心となる前方後円墳(1号墳)と円墳(2・3・4・5号墳)の計5基からなる古墳群です。その中でも1号墳は円形と四角形を組み合わせた前方後円墳で、全長約80m、前方部の高さ約9m、かすみがうら市内の古墳の中では最大であり、地表面から急角度で立ち上がる姿は威風堂々としています。古墳の内部に石室や石棺(石で組み立てた棺)があり、遺体はそこに安置されていました。遺体にそえた副葬品(死者を埋葬するとき、遺体にそえて納める品物)も財力や権力を示していると考えられます。まさに霞ヶ浦を支配する豪族にふさわしい条件を兼ねそなえた古墳と言えるでしょう。
〇発掘調査を経て史跡公園へ
昭和63年、かすみがうら市(当時の出島村)は「ふるさと創生事業」として富士見塚古墳群を復元し、史跡公園として整備することとしました。
その基礎的な資料を収集するため、平成2年に発掘調査が行われ、古代の神秘が解明されました。平成4年、市は文化遺産として大切に保存継承すると共に、多くの方々の学習や憩いの場となるよう史跡公園として復元、整備しました。
この公園からは、眼下にすばらしい霞ヶ浦大自然を見ることができます。皆さんには、古代人の想いをいだくとともに、霞ヶ浦の自然についても関心を寄せていただきたいと思います。
なお、発掘調査の様子や埴輪などの出土品は富士見塚古墳公園展示館でぜひご覧ください。
富士見塚1号墳
■規模 全長80.2m 後円部径38.4m くびれ部幅21.4m 前方部幅の推定復元49.4m 後円部高さ8.5m 前方部高さ9m
■埋葬施設 後円部に木棺安置の粘土 前方部に箱形石棺(内部赤彩)
■副葬品 ガラス玉、管玉、鉄鏃、直刀、馬具、歩揺、須恵器、土師器
■埴輪 円筒形、朝顔形、家形、人物(盾持ち人・横髷女性など)、動物(猿・鹿・犬・水鳥など)
■造られた時期 5世紀末~6世紀初頭 

 

 その位置から鞍部を。階段以外の斜面を登ることは禁止されている。

 

手前が前方部、右に後円部。どちらも高さ11m超。

 

先端裾から見上げた前方部。

 

振り返ったところに墳頂から見えた円墳が。

 

その後ろにももう一基。

 

1号墳に近いほうが2号墳。

 

1号墳と同時期(5世紀末~6世紀初頭)の築造と考えられている。

富士見塚2号墳
直径約25mの円墳です。発掘調査では、南東部の古墳を取り巻く構内に長軸18mの上坑(人が意図的に掘った穴で使用目的は不明)が発見され、埋葬施設であると思われます。この土坑に隣接して砕かれた須恵器の甕が出土しています。
その他、頂上の土の中からは、帯金具の金銅製鋏具(帯をとめるベルトのバックルのようなもの)が出土しています。つくられた時期阿、富士見塚1号墳と同じ5世紀末から6世紀初頭と思われます。かすみがうら市教育委員会

 

その先の3号墳は、100年程を経ての築造。

富士見塚3号墳

直径約18mの円墳です。発掘調査では、頂上の中心部より内部が赤彩されている箱形石棺が出土し、その中から女性と思われる人骨一体分の遺体と、副葬品として長短二本の刀子や数多くのガラス製小玉が発見されました。

小さな古墳にもかかわらず頂上周辺からは、多くの埴輪が出土しました。富士見塚3号墳のつくられた時期は、富士見塚1号墳よりほぼ百年くらい後の6世紀末と思われます。

かすみがうら市教育委員会

 

2号墳の脇から振り返っての1号墳前方部端。

 

左を見ると木々の先、眼下に水田。

 

墳丘の左側面を後円部まで歩いて振り返って。右奥が前方部。 

 

丁寧に草が刈られ、大事にされている。

 

この場所は古墳公園として整備され、丘陵下には駐車場と展示館もあります。

https://www.city.kasumigaura.lg.jp/sp/page/page000210.html

https://www.kasumigaura.net/mapping/page/970504-fujimi-pav.html

 

8月には古墳フェスタも開催されているようです。

https://www.city.kasumigaura.lg.jp/sp/page/page006811.html

 

どの季節にも見学しやすい、おすすめの古墳です。